
こんにちは、Miyabiだ。
LGBTQ+について「同性で結婚できるようになってほしいよね」「性別適合手術なしでも戸籍の性別を変更できるといいよね」のように話を進めていると
「そんなに日本が嫌なら、進んでる海外に行けばよくない?」
と、ちゃぶ台返し襲撃が出てくることがある。
「いやいや、日本で育った日本人だから、これからも日本にいたいんだけど~」ってのが気持ちだよね?
そう、それを大事にしたいからが第一で、たとえ日本に住もうが海外に行こうが「日本が良い国になれば嬉しい」「今の日本って良い国だよって他国の人に紹介できると嬉しい」って気持ちが僕は大きい。
でも「気持ち」だけだったら「じゃあ今のままの日本に文句ないでしょ」って言われて終了になっちゃうかもしれない。
ってことで今回は、
- 日本をLGBTQ+フレンドリーにしていくには?
- 本当に海外に移住したら解決するのか?
について考えていきたいと思う。
目次
日本がLGBTQ+フレンドリーな国になるには?
LGBTQ+が性的「マイノリティ」であること

まずLGBTQ+は性的マイノリティ、つまり少数派であると言われている。
僕はトランスジェンダーでカミングアウトしてアート作家活動をしているが、実際のところ、このようにカミングアウトしている人が全員とは限らない。
- カミングアウトしている人
- 自分で「自分はLGBTQ+だ」と認識しつつも、カミングアウトしていない人
- 話を聞くとLGBTQ+に当てはまるけど、当人がLGBTQ+を知らなくて、「カミングアウト」も何もない人
- ジェンダー・フルイド(時や状況によって性自認が変化するアイデンティティ)やパンセクシュアル(全性愛・性別関わらず好きになった人が好き)・バイセクシュアル(両性愛・男性にも女性にも性的指向が向く)などであっても、戸籍の性別でも生きていけたり、異性と交際・結婚していたり、LGBTQ+であっても「自分はそうじゃない」「気の迷い」と自他ともに片づけられるのでカミングアウトしていない人
などなど状況は様々で、「日本のLGBTQ+の人数は何人!」と全てを把握できるわけではない。
そっか、「何人に1人」みたいなのって「LGBTQ+(カミングアウトしている人)は、全体の何人に1人」だったり、「LGBTQ+は(カミングアウトしていない人は多分これくらいの割合いるって想定すると)、全体の何人に1人」みたいな感じだから、数字に揺れがあるんだね。
で、日本は民主主義って多数決を取り入れている。
LGBTQ+はマイノリティ=少数派。
これで「LGBTQ+の意見は聞かなくてもいい」って構造になってしまっていることに気づいた。
絶対詰みじゃん、これって他の国に行っても民主主義の国だったら意味ないってならない?
ここで登場するのが、アライだ。
アライとの協力

アライとは、当事者ではなくても、当事者を理解して協力しようとしてくれる人のことを言う。
このアライはLGBTQ+であってもなくても「協力したい!」って思ったらなれる。
なのでLGBTQ+自体はマイノリティであっても、アライが増えて全体の理解度が上がれば、自然と多数派になれるのだ。
例えば僕の親はLGBTQ+を差別していなかったが、興味も全くなかった。
LGBTQ+の当事者でもない。
が、僕が「トランスジェンダーなんだよね」とカミングアウトしてからは、LGBTQ+について調べたり、日本の戸籍の性別変更の条件がエグすぎる・なんとかならないかと考えたり、理解しよう・協力しようとしてくれるようになった。
これは親子間のことだったが、他にも友人・仕事関係の人・色んなジャンルで頑張っていて応援している推しなどなど、色んな関係性に当てはまると思う。
アライの割合が増えれば、LGBTQ+の現行の法律を更新・改善していくことも可能だと思う。
「LGBTQ+」ってくくったけど、LGBTQ+ってどの職業・年代・性別・能力値にもいるから、LGBTQ+フレンドリーだと
「日本住みやすいじゃん」
「人間として生きることの悩みがなくなって、普通に生きれるようになった」
「もっと日本で頑張れる」
って感じで、どんどん全体の質を上げることもできるんじゃないかな。
もしLGBTQ+全員が理解度の高い海外に移住したら?
じゃあいよいよ、「ホントに移住したら解決するのか?」について妄想していきたいと思う。
LGBTQ+の中でも、どういう人が移住するか?

まず、「LGBTQ+フレンドリーな国に移住します!」って言える人って、LGBTQ+の中でもカミングアウトしている人が多いと思う。
周りの人に理由言うとき困るからかな?
とはいえ、「LGBTQ+」っていうのは「日本に生まれた」「目の色は黒」「何年生まれ」のように変えることができない性質なので、移住したらしたで学校行ったり仕事したりって実生活がある。
カミングアウトしていない人でも「スキルアップのため」「あの国で仕事したい」みたいに言えれば普通に移住できる。
が、今回の想定は「LGBTQ+の人は全員LGBTQ+フレンドリーの国に移住できるよ!」って日本がなった前提なので、移住先がLGBTQ+フレンドリーの国だったら「あの人LGBTQ+?」って変に勘繰られたり、根掘り葉掘り聞かれたりすると思うと、やはりカミングアウトしている人が多くなるんじゃないかな、と思った。
とすると、年代的に理解度の高い人の多い若い世代のLGBTQ+が移住しやすくなる。
高齢者のLGBTQ+はカミングアウトしていなかったり、簡単に身動きできないと感じたり、移住しにくくなってしまう。
と、妄想する。
移住後の日本

移住が簡単にできてしまう前提で考える。
「移住した方が生きやすいや!」ってなると移住しちゃうと思う。
上で「若い世代が移住するのでは?」って言ったのを踏まえると、日本がますます高齢化する。
勘違いされやすいが、LGBTQ+の人も子どもを作ったり養子を迎えたりしたい人・する人も多くいる。
フレンドリーな国に移住したら、日本よりもLGBTQ+の子育てがしやすいとなると、「日本がフレンドリーだったら日本の子ども世代になった人」が少なくなってしまう。
となるとさらに子育て支援が減って、異性のカップルでも子どもを作ったり養子に迎えたりしにくくなる。
…………って、考えてしまった。
「そんなに日本が嫌なら海外に行けよ!」っていうのは、「俺のことは良いから、お前は先に行け!!」って捨て身の良いヤツのセリフだったのかもしれない。
怖すぎ……
移住先は楽園なのか?

では移住したら何の問題もないのか?
「LGBTQ+フレンドリーな国」っていうのがあったとして、その国に行けば日本のLGBTQ+も救われるのだろうか?
まず、そのフレンドリーな国がフレンドリーにするLGBTQ+って、優先されるのはその国の民だと思う。
さらにLGBTQ+フレンドリーであっても、人種や国籍的など別の面でフレンドリーであるかどうか分からない。
食べ物や気候が体に合うかも分からない。
やりたいことや特技のある人ならまだ良いが、それがない人の学校や仕事はどうすれば良いのだろう?
たとえ移住自体が簡単にできたとしても、それ以降がどうなのかは本当に分からないのだ。
日本が理解度の高い国になるのが、LGBTQ+当事者・当事者でない人ともに良いってことだと思うな。
まとめ

今回はLGBTQ+フレンドリーの国に移住ができてしまったら?を中心に考えてみた。
妄想してみた結果、「そんなに日本が嫌なら海外に移住すれば良いじゃん」は当事者も当事者でない人にも良いことが起こらない。
移住するならその後の生活を見すえて「海外の学校に留学して今後に役立てたい!」「海外で仕事をしてステップアップしたい!」みたいに引っ越すならまだしも、「LGBTQ+だから」だけで引っ越すのは詰みそうだ。
だったらLGBTQ+の理解度を上げて、日本自身がフレンドリーな国になって、そこからどこに住むかを考えた方が日本人的に良い感じがするな、と思った。