
こんにちは、Miyabiだ。
僕はトランスジェンダー男性で、幼稚園時代の物心ついた頃から性別に違和感を感じていた。
が、その違和感が「トランスジェンダー」「性同一性障害」と気づいたのは、けっこう後のほうだった。
「性別の違和感」って言っても、性別のどの部分に違和感を抱いているかが人によって違ったりするよね。
今回は
- トランスジェンダーだと気が付かないとは?
- 気づくタイミングって?
- 気付きにくい性別の違和感とは?
についてお話していこう。
目次
トランスジェンダーということに気づかない?
トランスジェンダーとは?

まずはトランスジェンダーとはどういうことかを見てみたい。
トランスジェンダーとは、
生まれた身体の性別と、性自認が一致していない状態
のことだ。
性自認?
性自認とは、身体の性別とか戸籍の性別とかとは関係なしに、「自分はどの性なのか」を自分でどう認識しているのか、ということだ。
トランスジェンダーの定義自体は上で言った通りだ。
これに僕自身の経験を踏まえると、
自分の性別について、周りの人が自分をどう認識しているかと、自分が自分をどう認識しているかが一致していない状態
ってのが追加されると思う。

というのも、身体の性別を意識し始めるのって、第二次性徴のある思春期であって、幼稚園時代とかは「あなたは女の子」「あなたは男の子」って誰かに言われることでしか性別の意識をしないからだ。
先生に「女子」「男子」言われるから子どもたちも「女子」「男子」を意識し始めて、小学校に入る頃には「自分の性別はこれ」と自認できると感じる。
ってことは、
・幼稚園時代~小学校は「周りの人が認識する自分の性別」と「自分の認識する自分の性別」の不一致
・思春期~はそれにプラスして「自分の身体の性別」と「自分の認識する自分の性別」の不一致
ってのがトランスジェンダーの状態ってことだね。
自分がトランスジェンダーだと気づかないってある?

では、自分がトランスジェンダーであると気づかないことってあるのだろうか?
え~…周りの人が自分の認識する自分の性別と違うふうに思ってそうとか、身体が違う性別に成長しているとかって、自分で気づきそうじゃない?
たしかに、美少年くんの言うように、周りの人の認識や自分の身体の成長が性自認と食い違ってるっていうのは気づきやすいと思う。
ただそれと「自分はトランスジェンダーだ!」って気づくのは実は別の話なのだ。
何故なら、「LGBTQ+」「トランスジェンダー」「性同一性障害」「性別違和」といった言葉を全く知らなかったからだ。
え、どういうこと?
違和感はあるんでしょ?
ではここから、その違和感についてを見てみよう。
トランスジェンダーと気づかずにモヤモヤする
違和感への違和感

当事者でも「LGBTQ+」「トランスジェンダー」などの知識がなかったら
「性別に違和感あるけど、これって何なんだろう……?」
「クラスの他の人たちはそんな違和感抱いてなさそう」
「自分の思い違いかも……??」
と、違和感を無理やり流してしまおうとなってしまいがちだ。
僕もそうだった。
違和感があるけど、どう言い表せばいいのかが分からない。
なんとか言い表そうと思っても、誰に相談すれば良いのか、相談を真面目に受け止めてくれる人っているのかが分からない。
そういうことで、自分がトランスジェンダーであるのに気づかずモヤモヤだけある場合がある。
言葉を知っていたら相談の仕方も、ネットでの調べ方も分かるようになるから便利だよね。
気づくタイミングとは?

トランスジェンダーが「自分、トランスジェンダーでは……!?」と気づくのはいつなんだろう?
気づくタイミングは大きく分けて
- 物心ついたとき
- 小学校高学年~中学生の、第二次性徴期の思春期
- 大人になってから
となり、思春期に気づく人が多いそうだ。
気づきにくいトランスジェンダー

「女に生まれたけど、性自認は男」
「男に生まれたけど、性自認は女」
みたいに、男女のどっちかだと分かりやすい。
このように「男女のどっち?」と男性・女性の2択しかないことを性別二元論(二元制)という。
で、トランスジェンダーに話を戻すと、この2択ではない人ももちろんいる。
日本では大きく「Xジェンダー」と呼ばれる。
Xジェンダーっていうのは日本語で、他の言語だと別の言い方になるよ。
Xジェンダーは男性・女性では言い表せない性別のことで、
- 中性
- 無性
- 両性
- ジェンダー・フルイド
などの種類がある。
あと、「自分の性自認が分からない」というタイプもある。
これをクエスチョニングという。
クエスチョニングは「自分の性自認がまだ分からない…」という人もいれば、「性自認が分からないってのが自分」という人もいる。
あるいは、「性別って定義・枠自体いらない」って人もいる。
これはノンバイナリーといって、「バイナリー(2つの要素からなる=男女二元論)」がノンってことで、「性別の枠組みで自分を制限して考えない」「性別って枠組みがあると、自分らしくない」ということだ。
「Xジェンダーはノンバイナリーと違うの?」ということについては、Xジェンダーは「中性とは男性と女性の間の性」「無性とは男性でも女性でもない性」など、「男性」「女性」って性別の枠組みを基準にどういう性自認なのかってことだ。
ノンバイナリーは男性・女性って枠組みを基準に、というわけではなく、本当にとらわれない・自分を表すときに性別は関係ないってことになる。
男性・女性しか性について知らなかったら、もしXジェンダーとかノンバイナリーとかだったとしても気づけないことってありそうだね。
そう、もしかするとトランスジェンダーだろうとノンバイナリーだろうと、「男性」「女性」ではないから気づけないということかもしれない。
性自認はゆっくり確定していけばいい。
違和感があるときは、「トランスジェンダー」「LGBTQ+」「Xジェンダー」などなど、関係ありそうなところを1つ1つ調べて考えていくと良いと思う。
まとめ

今回は自分がトランスジェンダーだと気づかないことについてお話してきた。
「性別に違和感があるな」と思うことと「自分はトランスジェンダーだ」と気づくことって、似ていて違う。
同じ性別の違和感でも、
「生まれた身体の性別と性自認が違う……違和感だ」
「なんで女だから・男だからって言って仕事内容が変わったりするんだろう?」
の2つでは、違和感の感じるポイントが違う。
前者はトランスジェンダーや性同一性障害についての話だが、後者はジェンダーについての話になっている。
なので「性同一性障害かと思ったけど、実はジェンダーについての疑問だった」って場合もある。
この場合はジェンダーフリーについて調べるとしっくりくるかもしれない。
トランスジェンダーの場合でもジェンダーフリーについて見てみるとすっきりするところがあると思う。
その上でセクシュアル・アイデンティティを考えると、「性別の違和感」がどっちの違和感なのかの整理ができるだろう。