
こんにちは、Miyabiだ。
そういえばこのサイトで当たり前のように単語を言っていたものの、ゲイやレズビアンについての解説記事をちゃんと書いていなかったな、と気づいた。
え、うそ?
っていうか、ゲイやレズビアンって有名だし、もう皆わかってるんじゃない?
そう、確かに一般の認知度が高いので、僕も
「まあ、皆知ってるよね~」
と思ってきた。
ただ、確かにだいたいの意味は知れ渡ってはいるものの、「もしかして、ここで勘違いが起こってる?」「ちょっと食い違いがあるな?」と日常で思う瞬間が出てきている。
なので今回は
- ゲイ、レズビアンとは?
- BLや百合とは何が違うの?
- 性的指向はその人の特徴の内の1つでしかない
についてお話していこう。
目次
ゲイ、レズビアンとは?

どちらも「同性愛」「同性愛者」と認知される。
そしてLGBTQ+、セクシュアル・マイノリティの中でも、真っ先に認知されてきたセクシュアリティでもある。
ゲイとは?

ゲイとは、性自認が男性であり、かつ、男性が恋愛対象・性愛対象であるセクシュアリティのことだ。
性自認?
あと恋愛対象と性愛対象をそれぞれ分けるの?
性自認とは、人間のセクシュアリティ(性の在り方)を4つに分けたときの1項目だ。
- 身体的性…生まれた身体の性別。生物学的性別ともいう。
- 性自認…身体に関係なく、自分のことをどの性として認識するか。
- 性的指向…どの性に対して、性的な指向が向くか、あるいは向かないか。
- 性表現…ファッション・しぐさ・話し方などの表現を、どのジェンダーを意識して振舞うか。
この内の性自認が男性であり、性的指向が男性に向いているのが、ゲイとなる。
ちなみに身体的性や性表現は「ゲイ」を語る上では無関係である。
なので
「シスジェンダー男性の場合もあれば、トランスジェンダー男性(FTM)の場合もある」(身体的性は関係ないため)
「ゲイのステレオタイプで女装家があるが、女装をしないゲイも普通にいる」(性表現は関係ないため)
あくまでも「自分が男性」で「相手も男性」の恋愛の在り方に「ゲイ」って名前が付くんだね。
また性的指向だけではなく、「性愛と恋愛を分けて、性的指向(セクシュアル)と恋愛指向(ロマンティック)の2項目とする」動きが近年ある。
なので
- アンドロセクシュアル(マセクシュアル)…男性に対して性的指向が向く(「アンドロ」とは「男性」の意)(この場合、自分の性自認は何でもいい)
- アンドロロマンティック(マロマンティック)…男性に対して恋愛指向が向く(この場合も、自分の性自認は何でもいい)
と使い分けることもできる。
「恋愛対象は男性だけど、性愛対象は男性も女性もだな」
ってときに、「アンドロロマンティックでバイセクシュアル」と言えるのだ。
レズビアンとは?

レズビアンも、定義自体はゲイと同じ感じだ。
性自認が女性で、女性に性的指向が向くセクシュアリティのことを指す。
ここでも身体的性、性表現は関係がない。
なので、
「シスジェンダー女性も、トランスジェンダー女性(MTF)も当てはまる場合がある」し、
「レズビアンのステレオタイプで男装を想起する場合があるが、レズビアンかどうかは服装や言葉遣いなどには関係ない」
となる。
ここら辺の定義は性別が違うだけで、ゲイと同じだね。
レズビアンにも性的指向と恋愛指向を分けた言い方ってあるの?
レズビアンにも性的指向と恋愛指向を分けて言い方がある。
- ガイネセクシュアル(ウーマセクシュアル)…女性に対して性的指向が向く(「ガイネ」は女性の意)(自分の性自認は何でもいい)
- ガイネロマンティック(ウーマロマンティック)…女性に対して恋愛指向が向く(これも自分の性自認は何でもいい)
「アンドロ」はアンドロイドで有名だが、「ガイネ」もここ数年でガイノイドというボーカロイドレーベルが有名になり、認知度が上がったのではないか…?と、僕の私見。
アンドロとガイネ、どちらもギリシャ語から来ているそうだ。
ゲイとレズビアン、BLと百合

ゲイやレズビアンが一般の認知度が高いのは、BLや百合といった同性愛を主題にした作品の担うところが大きいと思う。
日本のドラマや映画でもちょこちょこ見るようになったよね
ところで僕は、「ゲイ」「レズビアン」と「BL」「百合」は別物として考えている。
前者はセクシュアリティで、後者は作品ジャンルなので、そりゃ別物で当たり前っちゃ当たり前なのだが…
BLや百合は、作中に登場するカップルや恋愛・性愛を鑑賞するのが前提にある。
「現代思想<恋愛>の現在」のアセクシュアルの記事で、恋愛には「する」ものと「観て楽しむ」ものの2通りがあるというものがあった。

ラブコメ作品やアダルトな作品で「この作品の恋愛好きだな~」と思うことがあっても、「でも現実で自分が直面したら絶対に嫌だ」と思うキャラクターやシチュエーションがあると思う。
「観る」ときの恋愛の好みと「する」ときの好みは全く別、ということだ。
で、ゲイやレズビアンはというと、恋愛を「して」いる当事者である。
BLや百合は、恋愛を鑑賞者に「観せて」いる物語である。
よくゲイやレズビアンのカップルに出会うと
「夜はどうしているの?」
「どっちが受け?」
と、恋愛を「観よう」というスタンスで会話する人がいると聞く。
あ…
これ、男上司から女性社員への会話って考えると、ヤバすぎない?
そう、これはセクハラにあたる。
僕がこの記事であえて「ゲイとレズビアン、BLと百合、これらは別物として考えている」と言ったのは、「リアルとフィクション」と認識が分かれているからだけではない。
「BLや百合」に対する観かたを、そのまま目の前にいるゲイやレズビアンに対して適応しては、相手に嫌な思いをさせてしまうことになるのだ。
なので改めて、ゲイやレズビアン、BLや百合は別であることを確認したい。
BLや百合の作品を「自分は2人のいる部屋の壁になった気分で」楽しむのは、すごく良い楽しみ方。
でも実際のカップルに対してそれやると「ただの覗きじゃん!」ってなる違い…みたいな感じだね。
全然違うものって認識、大事。
ゲイ・レズビアンとは、その人の特徴の1つにすぎない

ゲイやレズビアンというと「同性愛に人生の全てをかけてる人」扱いされがちでもある。
それゆえ、ステレオタイプにむりやり当てはめようとして扱われるケースがある。
だが、ヘテロセクシュアル(異性愛者)を考えると分かるように、恋愛って、確かに「恋愛至上主義!」ってくらい最重要視する人もいるけれど、「好きな人が現れたら、そのときはそのときで~」くらいのスタンスの人もいる。
また、色んな服装の好みの人もいるし、色んな生い立ちの人もいる。
女性が恋愛対象だからといって、女性なら全てOKな訳ではないし、逆もしかりだ。
これはゲイやレズビアンでも変わらないのだ。
異性愛社会で同性愛者が生きづらいのもあるけど、同性愛コミュニティでステレオタイプを押し付けて、逆に生きづらいケースもある。
でも本来は「好きになった人が好き」「自分は自分」でどれも変わらないはず…って思うよ。
まとめ

今回はゲイとレズビアンについてお話してきた。
今までの記事を見返すと、ゲイやレズビアンについて話題に出したことがたくさんあっても、それ自体を主役にした記事がなかった。
僕がトランスジェンダー男性なので、なんとなく「トランスジェンダーより有名なのは認知度高いでしょう~」と思っていた節がある。
が、リサーチしていくと、ちょっとまとめて書きたいと思うことがゴロゴロ出てきて、今回に至ったのだ。
そういや最近、数本しか生えなかったヒゲが、薄くだがまとまって生えるようになってきた。
男性ホルモン3年目だが、本当に思春期と同じような変遷を辿るんだなぁ~~と、なんとも言えない気持ちになっているのだった。