こんにちは、Miyabiだ。

LGBTQ+の「Q」には「クエスチョニング」「クィア」という意味がある。

「クエスチョニング」は何となく分かるけど、「クィア」ってどういう意味?

「クィア」は「クエスチョン」と違って日本語化されていない単語だ。

「使っている人はいても、あんまり意味がしっくり来ない……」と思う方もいるのではないだろうか。

今回は

  • 「クィア」という言葉の含む意味
  • どういう人が「クィア」って使うの?

についてお話していこう。

「クィア」とは?~成り立ち~

「クィア」は英語から来た言葉で、本来の意味は「変態」だ。

……え?
「クィア」って「変態」を自称していたの?

詳しく見てみよう。

LGBTQ+って概念が一般化する前、人は人を「男・女・異性愛者」が当たり前だと認識していた。

そしてそこから外れた人を「変態(queer)」と蔑称で呼んでいたのだ。

だが時代が進むにつれて、「男・女・異性愛者」以外にも人権のスポットが当てられるようになった。

これは中世から近代に時代が進んだときに「農民よりも貴族のペットの方がエライ」という認識から「人権」って概念が生まれたのと同じような流れだ。

で、そのときにLGBTQ+当事者が

「ああそうさ、俺たち/私たちは変態さ!

変態で何が悪いんだ!?」

というメッセージを込めて「変態」、つまり「クィア(queer)」を自称し始めたのが始まりだ。

あ、てことは「変態」って自虐しているわけじゃなくて、「当たり前ではない存在」「当たり前って何だよ!?」って意味で「変態」って反骨精神的に言っているんだね。

そう。ちょうど中世ヨーロッパが崩れるときに「俺たちは農民だ!貴族が何だ!?同じ人間じゃないか!」となったのと同じだ。

「クィア」をどう自称するか?

僕はトランスジェンダー男性でLGBTQ+のTだ。(※トランスジェンダー……生まれた身体の性別と自分の認識する性別が一致していない状態・人のこと)

「男性」である以上「男・女・異性愛者」ってかつての当たり前に沿っている。

とはいえこの「当たり前」は「トランスジェンダー」って認識がまだ無かった時代の当たり前だ。

ということで、Instagramに作品画像をアップする際に「#queerartist」ってハッシュタグを僕は毎回付ける、ささやかな主張がある。

Miyabiはクィアを自称しているってことだね

「クィア」には明確にコレという基準はない

「クィア」には基準はない?

これこそが「クィア」の最大の特徴ではないだろうか。

「クィア」は「男・女・異性愛者」ってかつての当たり前に当てはまらない部分全てを網羅する、とても広い言葉として使われる。

「自分は「異性愛者」ではない、でもゲイ/レズビアンなのかバイセクシュアルなのか、はたまたアセクシュアルなのか、まだよく分からない」

「Xジェンダーだけど「中性」「無性」って分かりやすい性別じゃないから、説明がしづらい……」

「異性のファッションやふるまいがしっくりくるけど、トランスジェンダーなのかクロスドレッサーなのか、はたまた自分の性別の範囲内のものなのか曖昧」

などなどお悩みの方、大丈夫だ。

「クィア」が使える。

「トランスジェンダー」「シスジェンダー」とか「異性愛者」「同性愛者」とかは、明確に「こういうもの」って定義がある。
でも「クィア」は「男・女・異性愛者」ってかつての当たり前「以外全部」ってざっくりだから使いやすいんだね。

そう。

「あなたは男?女?」と性別に縛られる前に「自分は人間です」と主張したい、ってメッセージも「クィア」には含まれる。

まとめ

今回はクィアについてお話してきた。

「クィア」って単語自体が、「レディー」「ジェントルマン」のように日本語化していないので、「まったく新しい文字の配列」という印象が拭えないと思う。

また、帰国子女で幼児期に英語をそこそこ親しんでいた僕も、「クィア」を始めて聞いたときには「queerって変態って意味じゃん……」と、おおもとの意味で捉えて少しげんなりした記憶がある。

でも日本語の文脈での「変態」自称と違って、自虐よりも反骨が強い歴史があって、現代では「ゲイとレズビアンは仲が悪い」「異性愛者と同性愛者は、バイセクシュアルを下に見る」と言った分断を防ぐ用語として「クィア」が機能しているのだ。

仲間は多い方が良い。