こんにちは、Miyabiだ。

あなたは自分の着る服や普段のふるまいを、自分のしたいようにできているだろうか?

突然なに!?

もちろん普段から自分らしさを出せてるよ!仕事の雰囲気ともマッチしてるし」

という人もいれば、

「普段はスーツだからできないけど、休日は自分の好きなラップバトルに合わせてファッションもふるまいも変えてるよ!」

といくつかの「自分」をスイッチして上手に発散している人もいる。

では、性別とファッション・ふるまいとの関係はどうだろうか?

今回はこのファッションやふるまいなどを、自分の性別とは逆の性別のものにする「トランスヴェスタイト」についてお話していこう。

トランスヴェスタイトとは?

トランスヴェスタイト

トランスヴェスタイトは日本語で言うならば、「女装」「男装」「異性装」である。

男性が女性のものとされる服やふるまいをしたり、女性が男性のものとされる服やふるまいをしたりする。

「え、じゃあ心の性別が身体の性別と違うの?」

という疑問がよく出てくる。

が、一般的にトランスヴェスタイトは、自分をどの性として認識しているかの性自認と、生まれた身体の性別は一致したシスジェンダーだ。(←「一般的に」なので、そうでない場合ももちろんある)

その上で「女装」「男装」を選んでいる。

あ、そっか。
そもそも性自認と身体の性別が一致していないトランスジェンダーだったら、身体の性別と違うファッションを選ぶのは「女装・男装」よりも「本来の性別のファッション」ってなるんだ。

ファッションに対するこだわりの起点が、トランスヴェスタイトとトランスジェンダーとで違うのかな?

なぜ異性のかっこうやふるまいをするのか?

トランスヴェスタイトが自分と違う性別のファッションやふるまいを選ぶのは、

  1. 男だから長い髪をするな、女だからふわふわスカートをはけ、などの「この性別だからこの見た目」縛りに疑問を抱いたから
  2. 本来の自分の性別のファッションやふるまいだと、今までの内気な自分でしかいられない。明るい自分・なりたい自分に切り替えるON/OFFスイッチとして、異性装をする
  3. 異性装の方が、自分のやりたいこと・仕事に有利だから

などなど、たくさんある。

1の性別縛りが嫌だというのは、何もトランスジェンダーや同性愛者だけのものではない。

シスジェンダー・ヘテロセクシュアル(異性愛者の意)の人でも、「こっちのファッションの方が絶対カッコイイ・かわいいのに」「自分が男/女だから、このファッションが一生できないとかおかしくない?」と思うことがあるだろう。

これは「ジェンダー」の問題だ。

ジェンダーとは、性別の中でも、生物学的性別、性自認などと分けて、「社会的・慣習的に期待される性別ごとの役割」の部分を意味する。

「女だからスカート」「男だから髪を短く」とかは、このジェンダーに含まれることだね。

詳しくはこちらの記事を見てみてほしい↓

2の「なりたい自分になるON/OFFスイッチ」としての異性装とは、

  • 高校生になるんだから、中学までの暗い自分とはおさらばだ!メガネをコンタクトにして、髪をととのえて、教室に入ったら「みんな、おはよー!」って言える爽やかになるぞ!
  • 普段は事務仕事で地味な制服しか着れない。でも休日はド派手なロリィタファッションでかわいいの極みを極めるんだ!
  • 仕事はテキパキ、家帰ったら即ジャージに着替えてアイス食べながら映画みるぞ~

と同じ感じがする。

3の「やりたいこと・仕事に有利」だからやる異性装……と言ってしまうと策士な感じがするが、例えば

  • 劇団員の女性の男役の人が、イメージづくりのために普段から男装を意識している
  • ゲイ=女装という昔の間違ったイメージをあえて使って、場を軽く、明るくする

のようなことを見たりする。

色んな理由があるんだね。

そう、そして「異性になりたいから」「心が異性だから」が理由ではないことも、ふまえておきたい。

クロスドレッサー

ところで、ここまで「トランスヴェスタイト」という言葉を使ってきた。

が、実はトランスヴェスタイトは「服装がおかしい人」「倒錯的」のようなマイナス要素をイメージして使われてきた過去がある。

なので最近は「クロスドレッサー」と言われることが多い。

当事者でも「クロスドレッサーです」という人もいれば「トランスヴェスタイト」という人もいる。

同じ意味だが、当事者ではない僕は「クロスドレッサー=トランスヴェスタイト」と認識しつつも、とりあえずは「クロスドレッサー」と言うようにしている。

トランスヴェスタイトはトランスジェンダー?

トランスジェンダーという言葉には広義と狭義がある。

狭義は、普段僕が使用するように「性自認と生まれた身体の性別・戸籍の性別が一致していない状態・人」の意味だ。

一方で広義のトランスジェンダーには、「狭義のトランスジェンダー」+「トランスヴェスタイト」+「トランスセクシュアル」が入る。

トランスセクシュアルについては、広義のトランスジェンダーの中の狭義のトランスジェンダーの、さらにその中にある「性自認に身体を一致させたい→手術などの治療を望む状態・人」を指す。

「トランスセクシュアル」は手術希望のトランスジェンダーだけど、「あなたは手術希望ですか!?」っていちいち聞くわけでもないから、まとめて(狭義の)「トランスジェンダー」って言ってるよ。

で、トランスヴェスタイトは広義のトランスジェンダーに入るわけだが、実はこれも無くなってきている

かつて「トランスジェンダー」という言葉を使う前は、「トランスヴェスタイトである」とトランスジェンダーが使っていた歴史があるものの、

トランスジェンダーは、性自認と身体の性別が一致していない状態

トランスヴェスタイト(クロスドレッサー)は、シスジェンダーが異性の格好をする状態

という区別がついた。

なので現在は、広義のトランスジェンダーの中にトランスヴェスタイトが含まれる、ではなく、「トランスジェンダー(狭義と言われていた方の)」と「クロスドレッサー(トランスヴェスタイト)」と言う使い方をされる。

補足

トランスヴェスタイト(クロスドレッサー)は、シスジェンダーだけではなく、トランスジェンダーなどのセクシュアリティにも適応される場合がある。

なので上に書いたトランスヴェスタイトの定義の他に、

シスジェンダーでもトランスジェンダーでもなんでも、「社会的・慣習的に求められる性別的役割」と違うファッションやふるまいをする

も加えておくと良いかもしれない。

まとめ

今回はトランスヴェスタイト、クロスドレッサーについてお話してきた。

クロスドレッサーの中には「ずっと異性装をしている」という人もいれば「異性装するときと、自分の性別通りのかっこうをするときとがある」という人もいる。

また、異性装をしているとき、「俺、こういう男だから」「わたし、○○な女だから」と言葉遣いもその通りにするのが多いように感じるが、逆に自分のセクシュアリティに関する部分は性自認通りに「わたしはこうだ」「俺はこうなのよ」みたいにする場合も全然ある。

何が言いたいかって、「クロスドレッサーならこうしなきゃ」はないってことだ。

好きなかっこうやふるまいをしても良い。

誰であっても。