
こんにちは、Miyabiだ。
LGBTq+やセクシュアリティについて調べていると、
「○○ロマンティック」「○○セクシュアル」
という言葉が良く出てくる。
ヘテロセクシュアル・バイセクシュアルみたいな「○○セクシュアル」の方がよく見るけど、たまに全然聞いたことない「○○ロマンティック」ってあるよね。
あれって何?
この「ロマンティック」「セクシュアル」の違いが分かると、その人がどこに重点をおいて恋なり愛なりを話しているかが理解できたりする。
今回は、
- ロマンティックとセクシュアルの違いは?
- たくさん種類あるけど、覚えとくと便利な言葉って何?
- ノンセクシュアルとアセクシュアルという単語
についてお話していこう。
目次
ロマンティックとセクシュアル

ロマンティックもセクシュアルも、大まかに言うと恋愛的なことを意味する単語だ。
具体的には
- ロマンティック……恋愛指向について
- セクシュアル……性的指向について
を指す。
え?恋愛指向と性的指向って違うの?
性的指向とは

まずは分かりやすい性的指向について見ていこう。
性的指向とは、その人がどの性に対して恋愛感情・性的欲求を抱くかを意味する。
LGBTq+でも、例えばレズビアンやゲイ、バイセクシュアルなどは、「(女性が)女性を」「(男性が)男性を」「男性でも女性でも」好きになる、という性的指向のアイデンティティだ。
また、ヘテロセクシュアルの「自分にとっての異性を」好きなるというアイデンティティも、性的指向である。
他にもアセクシュアルの「どの性に対しても、そういう感情は抱かない」というアイデンティティも存在する。
その人の性の在り方を示す「セクシュアリティ」の4項目の内の1つが、この性的指向である。
これは人間誰しもが持つものだ↓
恋愛指向とは?

性的指向の解説で、「その人がどの性に対して恋愛感情・性的欲求を抱くか」と説明した。
……が、これは「好きな人だからセックスをする」という道徳も含まれた言い方となっているようにも思えなくもない。
現に、「恋愛と性欲って別物」と考える人もいる。
好きな人に性欲を抱く人もいれば、抱かない人もいる。
また性欲を抱いたからといって、その人を好きとは限らない……
などの現象から、「性的指向」と「恋愛指向」を分けるべきではないか?と議論があるのだ。
なるほどね。
確かに色んな例を考えると、ここは分けた方がスッキリするかも。
まとめ・性的指向、恋愛指向とは
ということで、
- 「性的指向」の広義→その人がどの性に対して恋愛感情・性的欲求を抱くか
- 「性的指向」の狭義→その人がどの性に対して性的欲求を抱くか
- 「恋愛指向」→その人がどの性に対して恋愛感情を抱くか
と再解釈する。
あと、解説で「その人がどの性に対して~抱くか」と書いたが、これは「どの性に対しても~抱かない」とも入れ替え可能だ。
このサイトでは、性的指向は広義の方も狭義の方も使っているよ。
色々あるロマンティックやセクシュアル、知っとくと便利な言葉

○○セクシュアル、○○ロマンティックと付く用語はたくさんある。
ありすぎて訳が分からなくなってきちゃう…
そんなときのために、よく○○の部分に入る言葉をリストアップしてみた。
- ヘテロ……自分にとっての異性に対して
- ホモ……自分にとっての同性に対して
- ア(またはA)……抱かない、指向が向かない
- ガイノ(またはウーマ)……女性に対して
- アンドロ(またはマ)……男性に対して
- バイ……男性・女性の両性に対して
- パン……あらゆる性に対して
ここら辺がよく付く。
あ、でも「バイ」「ホモ」だけで言うと差別的と思われちゃうことあるから、「恋愛」か「性的」かを分かりやすくするためにも、「セクシュアル」「ロマンティック」にくっつけて言った方が良いかも!
他にも「リス(抱くけど相手からは嫌)」「デミ(強い絆や信頼関係があった上で)」なども使われたりする。
あれ?
レズビアンとかゲイとかは?
レズビアンやゲイは性的指向で有名な言葉だ。
これらの言葉は、上に挙げてきた言葉と違って、
「女性である自分が、女性に性的指向が向いている」「男性である自分が、男性に性的指向が向いている」
と、自分の性自認(自分がどの性であるかの認識)が前提に強くある言葉だ。
あと言葉の成り立ち自体が違うので、あまり「セクシュアル」「ロマンティック」にくっつけて使われることがない。(たまに見るから「絶対ない」とは言い切れないけど、「成り立ちとか、言葉の指す意味の範囲が違うんだ~」と思っていただきたい)
ノンセクシュアル?アセクシュアル?

セクシュアルやロマンティックの中に、「性欲は抱かないけど、恋愛感情は抱く」というアイデンティティがある。
これを「ノンセクシュアル」と言ったり、「アセクシュアル」と言ったりする。
2つも言い方があるの?
同じ意味なのに?
なぜ2つあるのだろう?
これは、日本語圏と英語圏の言い方の違いだ。
「ノンセクシュアル」はセクシュアルがノンってことで、「性欲はどの性に対しても抱かない(けど恋愛感情は抱く)」という意味を持つ、日本語圏での言い方。
「アセクシュアル」も「Aセクシュアル」と英語で言われる、「性欲はどの性に対しても抱かない(ここでは恋愛については言ってない)」を意味する言い方だ。
あれ?
でもアセクシュアル解説のときは「アセクシュアルはどの性に対しても恋愛感情・性的欲求を抱かない」って説明してたよね?
確かに解説した。
これは「ノンセクシュアル」という言い方のある日本ならではの「アセクシュアル」定義だ。

英語圏には「アロマンティック(Aロマンティック)」という「どの性に対しても恋愛感情を抱かない」の意の単語がある。
なので「どの性に対しても恋愛感情・性的欲求を抱かない」と言う場合には「アロマンティック・アセクシュアル」と言うのだ。
ただ最近日本でも「アセクシュアル」の定義が英語圏と等しくなって、
- アセクシュアル=従来のノンセクシュアルの意
- アロマンティック・アセクシュアル=従来のアセクシュアルの意
という言い方が一般的とのことだ。
たしかに、「セクシュアル」「ロマンティック」の違い解説を見たあとだと、「アロマンティック・アセクシュアル」って言った方が意味が理解しやすいね!
まとめ

今回は、ロマンティックとセクシュアルの違いについてお話してきた。
「恋愛と性欲っていっしょじゃん」という人もいれば、「恋愛は男性も女性もXジェンダーもみんなが対象になりうるけど、性欲は男性だけかな」みたいに、恋愛と性欲が別物の人もいる。
前者の場合は、広義の性的指向で事足りる。
後者の場合は、恋愛指向と、狭義の性的指向が必要だ。
いずれも「自分はこうなのかー」「きみはそういうフレンズなんだね!」みたいな、なるほどスッキリするためのツールだと思っていただきたい。
分からなければ「クエスチョニング」でも大丈夫だし、「ヘテロでないとダメ!」とか「ゲイかバイセクシュアルかはっきりしないと、それぞれの当事者に失礼だ!」みたいに、変に気負う必要はない。
また、
「何故「ガイノ(ウーマ)セクシュアル」「アンドロ(マ)セクシュアル」のような言葉が必要なの?」
「ヘテロセクシュアル、ゲイ、レズビアンとかで事足りるのでは?」
などの疑問については、こちらの記事で解説しているので、良かったら覗いてみてほしい↓