こんにちは、Miyabiだ。

トランスジェンダーの方で

「美容院で、髪を自分の性自認に合わせて切ってほしい……けどそれを言って大丈夫?」

と心配する人もいるのではないだろうか。

美容師さんにいちいち「あの~トランスジェンダーで~」とカミングアウトしなきゃいけないのかな?
そうだったら嫌だな……

僕もトランスジェンダーで髪は美容師さんに切ってもらっているのだが、最初は自分の性別を言うのが怖かった思い出がある。

今回はトランスジェンダーが「美容師さんに、自分の性自認に合った髪型や対応にしてほしい!」と思ったらどうすれば良いのか、お話していこう。

トランスジェンダー、美容院に行く~どう選ぶ?~

ジェンダーフリー、LGBTq+フレンドリーな美容院

東京の都心の方なんかだと、ジェンダーフリーやLGBTq+フレンドリーな美容院があったりして

  • ジェンダーイメージ通りに髪を切りたい人
  • トランスジェンダーで、自分の性自認に合わせて髪を切りたい人
  • 男性のロングヘア、女性のショートヘアのように、従来のジェンダーイメージと違う髪型がしたい人
  • ジェンダーレスファッション、あるいは異性装がしたい人

などなど、「どんなお客さんも素敵に仕上げますよ!」というところが多い。

またトイレも1室のみで、性別とか年代とか好みとか問わず、清潔+お花などの飾りで「美容院に来た!」と思えるオシャレな飾りつけがされていて「お客さん皆をオシャレで気持ちいい雰囲気にしてやる!!」という意気込みが見え、とても気持ちが良かったりする。

だがデメリットとして、料金が高い・地方や郊外からだと通いづらいという点もある。

近場で良いお店ないかな…

ホットペッパービューティーなどで、性別を最初から選んでしまう

僕はトランスジェンダーだが性別適合手術をしていないので、保険証や住民票などの身分証明書は自分の性別にできていない。

だが、スマホのアプリなどの会員登録は、自分の性自認や名前で登録できるところが多い。

なので美容院の場合、僕はホットペッパービューティーなどであらかじめ「男性」と会員情報を登録して探している。

自分の性自認で最初に登録をしておいて、近場で良さそうな雰囲気・メニューのあるところを探して予約するのだ。

そうしておくと、美容師さんに「この人は男性/女性として接してほしいんだな」と事前にLGBTq+関係なしに伝わるので、後は現地で自分の好みの髪型を伝えるだけになる。

髪型が具体的に決まっていなくても、会員情報が女性で女性の髪型のメニューを予約している人には女性誌やウィメンズの髪型集(美容師さん用の雑誌みたいなやつ)を、会員情報が男性で男性の髪型のメニューを予約している人には男性誌やメンズの髪型集を見せてくれるので、この辺も安心ポイントだと思う。

これならわざわざ美容師さんに「トランスジェンダーで……」ってカミングアウトしなくていいね。安心。

ただ、こういうのはたいてい男性か女性の2択なので、Xジェンダーは自分の性自認で登録できなかったり、メニューも「メンズ」「ウィメンズ」のどちらかを選ばなくてはならないという精神的負担があるのが難点だ。

この場合は、異性装だったりジェンダーレスだったり、従来のジェンダーイメージと異なる髪型を普通に受け入れていそうな美容院を、髪型のカタログを見て検討すると良いかもしれない。

実際に身体の性と同じジェンダーイメージの髪型で大丈夫だったとしても、美容師さんとの会話で「女の子だからね!」「男なのに?」のような性別イメージの押し付けがあるのとないのとでは、精神衛生の状態が天と地ほど変わるよ。

トランスジェンダーが性自認の通りの髪型になるまで

性自認が男性だから髪は短く、性自認が女性だから髪は長くしなければならない。

と考えてしまいがちだが、そんな縛りはないので落ち着いていこう。

トランスジェンダーでもシスジェンダー(身体の性と性自認が一致している人)でも、清潔感と自分に似合うかが髪型選びで重要となる。

そんな前提で聞いてほしい。

トランスジェンダー女性(MTF)の場合

もうすでに周りにカミングアウトしていて理解を得ているのであれば、女性メニューから行っても全然かまわないのだが、今回は「今まで隠して男性として生きてきたけど、トランスジェンダー女性なんだよな……女性らしい髪型したいな…」と思っている人を想定してみた。

トランスジェンダー女性の場合、まずはジェンダーレス男子のような雰囲気から始めると、怖くないと思う。

中性的な路線だ。

そうすると見た目的にも、美容師さんの反応的にも馴染みやすい。

じょじょに長めの髪型にシフトしていき、メイクなどにも慣れてきたら女性として女性メニューに変更していく。

同じ美容院で客としての性別を変えるのが怖ければ、別の美容院に変えるのも手だ。

この順に行くと「女性として美容院に行くのが怖い……」というトランスジェンダー女性の方も行きやすくなると思う。

現状、トランスジェンダー女性の場合、下のリンク先のメイク記事でも言ったように、メイク前のヒゲなどのムダ毛処理が美容師さんに「女性だ」と認識させる上でとても重要になるので、ぜひチェックしてみてほしい。

トランスジェンダー男性(FTM)の場合

これは僕の体験も交えてのお話となる。

僕は昔、周りに男性であることをカミングアウトせずに女性として生きていたので、美容院も「女性」として女性らしい髪型にしてもらっていた。

トランスジェンダー男性であることをカミングアウトしようというタイミングで、僕は髪がまだ長かったのもあり、「女性」のまま美容院に行き、ショートヘアを注文した。

「ばっさりですね~ショートヘアの女性も素敵ですもんね~」とそのときの美容師さんも言ってたように、トランスジェンダー男性の場合、女性のボーイッシュ・ファッションの恩恵で髪型をシフトチェンジしやすいのだ。

なので女性メニューでショートヘアやベリーショートを注文し続ける、というのもアリだと思う。

一方で僕の場合、ホルモン治療で声が男性化していったこともあって、途中から美容院を何度か変えて、男性としてメンズメニューを注文するようになった。

馴染みの美容師さんが理解のありそうな人であったり、自宅や職場から通いやすい場所であれば、別に美容院を変える必要はないので安心してほしい。

いずれにしても、好きな髪型・似合う髪型にできる美容院かどうか、髪型カタログを見て確認すると良いね。

まとめ

今回は美容院にトランスジェンダーが自分の性自認で行くにはどうするか?についてお話してきた。

性別違和を持つ人にとって、自分のアイデンティティを押し殺す・つぶされることは日常茶飯事となっているので、「自分の性自認で美容院に行く」というのは解放感がとてつもないのと同時に、とても不安なことでもある。

僕も初めて訪れるところではおっかなびっくりなので、そんな人がどのように見た目を自分の性自認に合わせていったのか、参考になればいいなと思って記事にしてみた。

また「自分の性自認」はあなたの認識の話で他人からは見えないものなので、美容院などのこまごまとしたところから性自認に合わせていくと、他人からも納得されやすくなるメリットがある。

ぜひあなたに似合う髪型を楽しんでほしい。