こんにちは、Miyabiだ。

僕はトランスジェンダー男性でLGBTq+のT、つまりLGBTq+当事者だ。

自身の性別についての違和感は幼稚園時代、物心ついたころからあった。

でも「LGBTq+当事者だ」と気づいたのは20歳を超えたときだった。

?何で?
性別が違うとかそういう違和感は小さい頃からあったのに、何で「LGBTq+当事者だ」っていうのは大人になってからじゃないと自覚できなかったの?

一見、矛盾があるように見える。

が、僕はこれはLGBTq+の正しい知識が一般的に行きわたっていないからだと思うのだ。

今回は「LGBTq+の当事者でもLGBTq+が分からない?」ということと、LGBTq+教育が必要な理由についてお話していこう。

LGBTq+の当事者なのにLGBTq+が分からない?

LGBTq+とは、レズビアン(L)・ゲイ(G)・バイセクシュアル(B)・トランスジェンダー(T)・その他にもたくさんの種類がある(q+)という頭文字をとって、セクシュアル・アイデンティティがマイノリティであることを指した総称だ。

アイデンティティの種類は本当にたくさんあるよ。
こちらの記事を見ると分かりやすいかも→LGBTq+の旗と種類~レインボーフラッグと、各アイデンティティの象徴の旗~ – 画家美少年ラボラトリイ (miyabistarr.com)

僕はこの言葉をネットで知った。

大学時代に「性別 違う 違和感」という感じに、思い当たる単語で手当たり次第検索をかけて、やっと得ることのできた知識なのだ。

おそらく今ではもっと「LGBTq+」という言葉が一般的になっていると思う。

「違和感を感じている」と「LGBTq+の知識がある」は違う

では何故小さい頃から「性別に違和感がある」「自分は女の子として認識されているけど、自分としては男の子だと思う」とトランスジェンダー的な認識があったのに、「LGBTq+」を知らなかったのか?

それは「LGBTq+」が単なる言葉であり、内容の説明はまた別だからだ。

確かに、「LGBTq+はレズビアンやゲイ、トランスジェンダーなどの頭文字をとったもので、セクシュアル・マイノリティ」について言った言葉だよ」って解説がないと、よく分からないアルファベットだもんね。

例えば「オカマ」「オナベ」というのは、テレビや漫画で「変な人」「笑っても良い人」として消費されていたので認知度は高い。

彼ら彼女らを見ると「=トランスジェンダー」と思われがちだが、当のトランスジェンダーは「自分はお笑いをしたいわけじゃないからなー」「キャラじゃなくて人生全体の話だから」と思っている。(よっぽど芸人的な才能がない限り)

でもLGBTq+の知識がないと、違うと思っている「オカマ」「オナベ」以上に自分に近いアイデンティティが分からないのだ。

だからと言って「オカマです」「オナベです」って言うと、また認識がズレる、面白キャラをやれって思われる、だから言えない。

でもそれじゃ自分は何だ?

と、このようにエンドレスな負のループに入ってしまうのだ。

ではどうすれば良いのか?

それはLGBTq+の正しい知識を手に入れ、広めることだ。

LGBTq+の「正しい」知識とは?

正しい知識とは何だろう?

…そのままの意味だが、例えば一昔前のノリを持ち込んでしまうと「LGBTq+=お笑いの残念なキャラ」となってしまったり、「フィクションでしょ?」「本当は治療で「正常」にできるんでしょ?」と、人格否定や悪名高いロボトミー手術の二の舞になってしまう。

ロボトミー手術って確か、精神疾患のある人に対して強制的に、感情を司る部分の脳みそを切り取ってしまう手術のことだよね?
発作とか突発的な爆発みたいなことはなくなるけど、逆に一切の感情を感じる権利を奪われるんだよね。

LGBTq+にうつ病や対人恐怖症などの精神的な疾患になっている人が多い、と言われるが、それは

周りがLGBTq+についての知識、それに伴う理解が無い

→当人もまたLGBTq+の知識を得ることが難しい

→結果、「自分がおかしい」「おかしいのを周りにさとられてはダメだ」という強迫観念から、精神的な負担のトリガーがLGBTq+でない人よりも1つ多くなっているからである。

なので

  • セクシュアリティは人間だれしもが持つアイデンティティだよ
  • セクシュアリティには生まれた身体の性である「身体的性」、自分が自分をどの性で認識しているかの「性自認」、自分がどの性に対して恋愛感情・性欲がわくかという「性的指向」、自分がファッションや言葉遣いなどでどのジェンダーを意識して表に自分を出していくかの「性表現」の4つでできているよ
  • ヘテロセクシュアル、ゲイ、レズビアンなどは「性的指向」で、トランスジェンダーは「性自認」だから、全く別の話だよ
  • 自分の身体も性自認も一致しているけど、ファッションは異性のものを見に着けたいというのは「トランスヴェスタイト」というアイデンティティだよ

などなど、嘲笑も軽蔑も含まず、冷静に、アップデートされていく知識を伝えてくれる機会が人類全体に必要だと思う。

僕より上の年代だと「LGBTq+の基礎知識を知らない。でも政策でLGBTq+の法律が出てきて判断しなきゃいけない」という人も大勢いるだろう。

また、忘れられがちだが、小さな子どもにも一定数LGBTq+当事者の人がいる

LGBTq+の政策が行われようとされたとき、「子どもの教育に悪影響」という意見があるのを見て、子どものLGBTq+当事者がとても心配になった

子どものLGBTq+当事者は、大人に否定されたら、一体どこに行けばいいのだろう?

なので、皆がそれぞれ正しいLGBTq+知識を知って、それを周りに伝えることで救われる子どもや大人が出てくると思う。

このサイトでLGBTq+に関する情報を伝えているので、参考にしてね。

まとめ

今回はLGBTq+の当事者でもLGBTq+を知らないことがあるから、大人にも子どもにも当事者は一定数いるんだから、LGBTq+の正しい知識を知って広めようという話をした。

例えば好きな人に告白をして、付き合えるか振られるかは50%50%だ。

LGBTq+の正しい知識が一般的にあると、この数字は異性愛も同性愛も、同じ確率になる。

でも正しい知識がないと「同性だから振られる、異性だったら100%付き合えた」「同性だから振っておこう」のように、その人の内面・性格・見た目・趣味・価値観などなど他に見るところをすっ飛ばして性別だけに判断をゆだねかねない。(もちろん恋愛は自由ので、「自分は異性しか恋愛感情わかないから同性だとお互い傷つくかも」「自分は異性でも同性でも恋愛はしない」と思ったら振るも自由だ。が、このときも「同性とかキモイ」って言ってしまうのは違う)

また一口に「性別に違和感がある」といっても、トランスジェンダーのように自分の身体と性自認が一致しない違和感なのか、はたまた周りが「女/男のくせに~」と言ってくるから違うように感じるのか、または「ここで男女分ける意味ある??」というジェンダー的な違和感なのかと、種類がたくさんある。

これらの選択の権利というのは、LGBTq+の正しい知識が一般的に広まって、初めて得られるものだ。

小学生に「将来の夢」作文を書かせると、ケーキ屋・サッカー選手・ユーチューバーなど。

何故ならその職業を「知っている」からだ。

例え数学の才能があって「宇宙の謎を解き明かしたい」と思っていても、「物理学者」の存在を知らなければ、作文に職業名を書くこともできず「将来の夢がないの?」「書かないと宿題にするよ」と怒られたりする。

知ることで、初めて選択できるのだ。