こんにちは、Miyabiだ。

「昨日は自分は男だと感じてたけど、今日は女だな」「日によって性別が揺らぐなぁ…」

そう感じている人はいるだろうか。

僕はいつでも自分は性別・美少年って認識してるよ。

美少年くんのように自分の性自認が1つに決まっている人もいれば、性自認が揺らいでいるのが通常という人もいるのだ。

今日は性別が揺らぐという性自認「ジェンダー・フルイド」についてと、Xジェンダーとの関係についてをお話していこう。

性別が日によって変わる・揺らぐ

性自認について

まずは「性自認」について見てみよう。

性自認とは、自分の性をどのように認識しているか、のことだ。

「生まれた身体が男だし、自分は男だって認識がしっくりくる!」という人もいれば、「生まれた身体は女だけど、「自分は女」って認識するのはとても違和感がある…」という人もいる。

前者のように身体と自認の性が一致している人をシスジェンダー

後者のように身体と自認の性が一致していない人をトランスジェンダーという。(僕はこっちのトランスジェンダー男性だ)

ちなみに身体の性のことを身体的性という。

「性別が揺れるなー」っていう認識は、性自認に関連する話ってことだね。

ジェンダー・フルイドとは?

性別が揺れる、というと

「性自認が定まっていない」「早く女か男か決めないと…」

と感じてしまうかもしれない。

だが実は、この「性別が揺れる」ということ自体がアイデンティティとして名前が付いている。

それがジェンダー・フルイドだ。

揺れるから早くどっちかにしないと、ってことじゃなくて、そもそも性自認が揺れる性ってことだね。

Xジェンダーなの?

ジェンダー・フルイドという言葉は英語圏で使われる。

日本では日本オリジナルの言葉でXジェンダーがある。

Xジェンダーとは、「男性」「女性」の他の性別、第三の性のことをいう。

…ってことは、ジェンダー・フルイドもXジェンダーってこと?

「Xジェンダー」という言葉自体は「男性とも女性とも言い切れない性別」の日本における総称だ。

ジェンダー・フルイドと近いのは、Xジェンダーの中にある「不定性(流動性)」という性自認となる。

Xジェンダーについてはこちらの記事を参考にしていただけると幸いだ。↓

Xジェンダーには「男性と女性の間の性・中性」「男性でも女性でもある性・両性」「男性でも女性でもない性・無性」などなど、他にも種類はあるものの、

「性別が日によって変わるな、揺れるな」という性自認を持っていると感じたら「Xジェンダーの不定性」と言っても、そこまで違いはない。

ジェンダー・フルイドのファッション

ジェンダー・フルイドは性自認が日によって変わる性だ。

そうなると、「昨日は男っぽい口調だったけど、今日は女っぽい口調だな」「ファッションが全然変わるから見た目で今日の性別が分かる」ということになりそうに思いがちだ。

違うの?

ファッションや言葉遣い、仕草などを「性表現」という。

身体的性や性自認と区別するのは、

「身体も性自認も男だけど、ファッションや言葉遣いは女」「身体も性自認も女だけど、男っぽく振舞うのがしっくりくる」

という人もいるからだ。

で、ジェンダー・フルイドだが、必ずしも性表現を毎回揺らぐ性自認に合わせる、というわけではない。

もちろん「毎回合わせる」という人もいる

だが性自認が男性・女性・Xジェンダーと定まっている人でも、「今日は女っぽくいこう」「今日はボーイッシュだから言動もボーイッシュになっちゃうな~」と日によって性表現が変わったりするように、性表現がその人の性自認に直結しているわけではないのは、もうお分かりだろう。

見た目がその人の全てじゃない…ってことだね

そう、そういうことなので、ジェンダー・フルイドの人も、そうでない人も、今日のあなた自身に一番しっくりくるファッションや言葉遣いを自由に楽しんでほしい。

ジェンダー・フルイドの恋愛は?

では恋愛はどうだろう?

「自分は日によって性別が揺れます。でも恋愛対象は男です」

というように、ジェンダー・フルイドについて相談をする人は、自身の恋愛対象についてを判断材料に出しがちだ。

恋愛対象・性愛対象についてを「性的指向」という。

身体的性・性自認・性表現の3つと同列に、独立してその人のセクシュアル・アイデンティティを表す項目だ。

…ってことは?

性自認の話であるジェンダー・フルイドと、性的指向の話である恋愛対象は関係がない

「自分はジェンダー・フルイドなのかな?」「自分の性自認は?」という質問に対して「恋愛対象」で判断しようするには、「異性愛が当たり前」という前提がないと成立しないのだ。

「異性が好き」は差別をされないので言いやすく、結果「異性愛が当たり前」というように世の中見えてしまうのだが、その一方で「同性を好きになった経験」「性別が男性でも女性でもない人を好きになった経験」などが語られずにいるおかげで、世界の恋愛の数にカウントされていない現状もある。

ということで、どの性自認の人を好きになっても大丈夫だ。

LGBTq+で「トランスジェンダーで同性が恋愛対象」というように、マイノリティが2つ掛け合わさっている場合も普通にあるので、本当に身体的性・性自認・性表現・性的指向の4つはそれぞれ独立した存在なんだなぁ、と感じる。

ジェンダー・フルイドの恋愛対象の言い方

とはいえ、日によって性別が変わるから「ヘテロセクシャル(異性愛)」とも、「ゲイ」「レズビアン」などの同性愛とも言えない現状がある。

この場合、自分の性自認を無視して相手の性自認のみを指して言えるアンドロセクシュアル・ウーマセクシュアルを使うといいだろう。

  • アンドロセクシュアル…自分の性自認がなんであっても、男性が恋愛対象・性愛対象であること。
  • ウーマセクシュアル…自分の性自認がなんであっても、女性が恋愛対象・性愛対象であること。

アンドロセクシュアル・ウーマセクシュアルについてはこちら↓

「男性も女性も恋愛対象」であれば「バイセクシュアル」と言えるし、「相手の性自認は問題ではない、好きになった人が好き」なら「パンセクシュアル」と言える。

また、「恋愛感情も性欲もない」なら「アセクシュアル」と言える。

まとめ

今回はジェンダー・フルイドについてお話した。

以前にも「性自認確定後に性別が揺れることってあるの?」という内容で記事を書いている。

こちらは「性同一性障害で「自分は女性/男性」と決め、診断書をもらい、ホルモン治療や性別適合手術をやった。カンペキなはずなのに、性自認がしっくり来てない、何故?」という場合を仮定して書いたものだ。↓

性自認というと「男性」「女性」のどちらかで、けっこう「Xジェンダー」や「ジェンダー・フルイド」「ノンバイナリー(そもそも「性別」という考え方をしない)」というアイデンティティを、当事者本人でも見過ごしがちなのだ。

もし「「男性」って言われても「女性」って言われてもしっくりこないな」「呼ばれ慣れていない、とかではなく、しっくり来ない」という場合はXジェンダーやノンバイナリーのようなアイデンティティを調べてみると良いかもしれない。

「この人は何を思考しているのだろう」Miyabi Starr作・油絵