こんにちは、Miyabiだ。

LGBTq+のTである「トランスジェンダー」は、身体の性別と性自認(自分をどのような性(性別)で認識しているか)が一致していない人のことをいう。

逆に身体の性別と性自認が一致している人を「シスジェンダー」と呼んだりするね。

で、Miyabiはトランスジェンダーなんでしょ?

そう、もっと詳しく言うと、僕はその中でも「FTM」と呼ばれる人だ。

トランスジェンダーをSNSで見たりすると、「FTM」など省略した形で文字数制限のあるプロフィール欄に記入している人も多くいる。

では「FTM」とは一体どのような人なのだろう?

今回はFTMについて、どういう意味なのか、何か名乗るのに決まり事があるのかについて見ていこう。

LGBTq+の1種である「FTM」

「FTM」とは?

先ほどトランスジェンダーを「身体的性(生まれた身体の性別)と性自認が一致していない人」と説明した。

FTMはそのトランスジェンダーの中の1種で、

身体的性・戸籍は女性が割り振られたが、性自認は男性である

という人のことを言うのだ。

Miyabiは生まれたのは女性だけど、「自分は男なのに、女の身体だ…」って思ってたってこと?

美少年くんの言うように、僕の生まれは女性だ。

だが物心ついた幼稚園の頃から「自分は男なのに、みんな女の子だと思って接してくるな……?」と感じていて、大学時代に「LGBTq+」を知り、現在はホルモン治療などで身体を男性化している状態だ。

ちなみに僕が「僕の生まれは女性だ」とか「元女子」と言ったり、「男性/女性」という性別欄で「女性」に〇を付けるときどういう感覚かというと、犯罪の濡れ衣を着せられて嘘の自白を強要されている状態を想像すると分かりやすい。(女性がダメ、という話ではなく、僕と逆で「男性に生まれたけど性自認は女性」の人も「男性」と名乗ることが同じように嘘をついている感じでツラいのだ)

違和感があるのに身体の性別に合わせて生きようとすると、常に嘘をついている感覚、ってことだね。

もしあなたが「分かるかも」「そういう気持ちになったこと、ある!」と感じたなら、もしかするとあなたもトランスジェンダーかもしれない。

FTMじゃなくて「FTX」「MTF」「MTX」って言うのを見かけたけど?

「SNSのプロフィールを見ていたら、FTMじゃなくて「MTF」とか「FTX」とか似ている言葉が載ってたけど、これ何?」

そう疑問に思った人もいるだろう。

これは誤字ではなく、ちゃんと「MTF」「FTX」「MTX」という種類もトランスジェンダーの中に存在するのだ。

  • MTF…身体的性は男性だが、性自認は女性の人
  • FTX…身体的性は女性だが、性自認はXジェンダーの人
  • MTF…身体的性は男性だが、性自認はXジェンダーの人

ちなみにXジェンダーは「第三の性」とも言われ、「「男性」「女性」のどっちか」ではない性自認のことを言う。

ややこしいね…
分かりやすい方法ってないの?

何故「FTM」などアルファベット3文字かが分かれば、実はとても分かりやすいのだ。

FはFemale、つまり英語で女性の意味。

MはMale、英語で男性の意味。

XXジェンダー

Tはここでは接続詞・toの意味。

それぞれの頭文字をとって、FTMなど記述しているというわけだ。

男性化する手段とは?

↑僕の油絵作品で、FTMを描いたもの

FTMの人は自身の性自認に合わせて生きていきたい、と思う人が多い。

その手段の1つが男性化だ。

性自認に合わせて、見た目部門の身体的性を変える…ってこと?

美少年くんの言うように、性別適合手術をして裸のときの見た目から男性化する人もいる。

この場合は胸を胸板にしたり、子宮を摘出したり、「女性」という部分を身体から排除するのがメインとなる。

その先、陰茎を付けたりするかもまた、人による。

現在の医療技術で、精巣をいれたりするのはできないので、内蔵から完全に男性、というのは難しいんだ。

でも内蔵を見るのはお医者さんくらいだし、子どもを作ったり引き取ったりする手段もあるし、普段の生活で男性として生きる分には十分と言えるよ。

他にも「手術までいかなくても、声を低くして、手とか腕とかを男性らしく血管浮く感じで、生理を止めたい」という場合は男性ホルモンを注射して男性化する、ホルモン治療がある。

↓FTMのホルモン治療に関する記事はいくつかあるので、こちらのカテゴリーから飛んで参考にしていただけると嬉しい。

トランスジェンダーの実践 – 画家美少年ラボラトリイ (miyabistarr.com)

また、「お金をかけられない」「他人から見たときの印象だけ変えられれば十分」などの理由で、性表現(ファッションや仕草、言葉遣いなどのジェンダー意識)を男性っぽくしたり、自力でボイストレーニングを行って声を低くしたりする男性化もある。

実際には今紹介した順番と逆の順で、性表現→ホルモン治療→性別適合手術と進む。

次のステップに進むと前の身体に戻れない変化もあるので、慎重に自分を見つめ直しながら進めよう。

↓まずは実行しやすい性表現から変えてみると良いかもしれない。

「FTMです」と名乗るのに、どういう条件があるの?

FTMの人には色んな人がいる。

「FTMです!」と表に出てくる有名人は、性別適合手術まで完遂している人が多いように感じる。

なので「自分はまだホルモン治療もしてないからFTMって言えないのかな」「お医者さんに診断書もらってないし、FTMとはまだ名乗れない…」と思ってしまう人もいるかもしれない。

ここでもう1回「FTM」の意味を見てみよう。

FTMとは、身体的性が女性だが、性自認が男性の人のことを言う。

これに当てはまっていたら、男性化のステップがどこであれ、FTMと名乗れる

もし後で「やっぱり自分はFTMじゃないかも?」「よくよく考えたら、FTXだったかも」と思ったら、変更しても大丈夫だよ。

LGBTq+やセクシュアリティというのは、性の在り方についてを言っている。

なのであなた自身がどう在るのか、どう在りたいのかを大切にしてほしい。

まとめ

今回はFTMについてお話してきた。

身体的性と性自認が一致しているシスジェンダーは、「身体や戸籍が女だから、私は女に決まってる」と感じている。

だがトランスジェンダーは「違和感があるぞ、身体の性別も戸籍の性別も「正解」じゃない……」「どれが正解なんだ!?」状態なので、性自認については自分のことながら、かなり悩むことだと思う。

ここでLGBTq+についての知識を得ると、急に「なるほど、こういうことか!」とスッキリする人もけっこういるはずだ(僕がそうだった)。

学校でLGBTq+についての授業がなかったので、特に僕世代以上は「当事者なのに、LGBTq+を知らない」状態もあり得る。

先ほど「濡れ衣なのに自白を強要される感覚」と言ったように、性自認と矛盾した性で生きるのは、かなりキツイ

性別を答えなきゃいけないときに、性自認と一致した方である「男性です」を言えない状況は、本当に嫌な汗がぶわっと出てくる。

なので、そんなことにならないように、あなたがあなたの性自認で生きれる、かつ、誰かがその人自身の性自認で生きるのを認められる世界を目指して、記事を書いていきたい。

↓また、「そもそも何で?」と疑問を持ち続けられる考え方が広まれば、「LGBTq+」を知らなくても、LGBTq+に理解を示すことができる人になれると思う。