
こんにちは、Miyabiだ。
僕はLGBTq+のT、トランスジェンダーの男性だ。
トランスジェンダーとは生まれた身体の性別と心の性別が一致していない状態の人のことをいって、LGBTq+の当事者なのだが、こんな僕にも1つ「LGBTq+難しい……」と思うことがある。
それは、
LGBTq+やセクシュアル・マイノリティ(略してセクマイ)の種類が多すぎる!
ということだ。
そんなにたくさんあるの?
当事者とはいえ、LGBTq+の全てに当てはまるわけではないうえに、日々「こんな価値観があるんだ」と新たな発見が出てくるので、結果、「分類多すぎぃ…!」となるのだ。
そんなことで今回は「なぜこんなにLGBTq+やセクマイの種類が多いの?」「分類して、どんなメリットがあるの?」ということについての解説と、後半に多々あるLGBTq+・セクマイの各種類の解説記事へのリンク集をまとめていこう。
リンク集だけ見たい人は、目次にある「3. LGBTq+、セクマイの種類解説のリンク集」からとべるよ。
目次
LGBTq+、セクシュアル・マイノリティの分類
「LGBTq+」って?

まずはLGBTq+とセクマイの違いについて見てみよう。
え、同じ意味だと思ってた…
そう、「性のアイデンティティに関するマイノリティ」という意味では共通するのだが、少しだけ前提や成り立ちが違うのだ。
LGBTq+という言葉は、もともと「LGBT」だった。
LGBTはレズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)の頭文字をとった言葉だ。
4つだけなんだね。
美少年くんの言うように、「LGBT」はこの4種類しか指さない言葉なのである。
なぜなら「性のアイデンティティのマイノリティは、この4種類だけでしょ」と昔考えられてきたからだ。

だがそこから「アセクシュアルです」「クエスチョニングです」「パンセクシュアルです」「自分は……」と、「LGBT」以外のアイデンティティがあることが分かった。
そこで
- LGBTq+……「クィア」「クエスチョニング」などを指す「q」と、「その他にもたくさんあるよ」の「+」を「LGBT」の後に付け足したもの
- LGBTQIA……「クエスチョニング」の「Q」、「インターセックス」の「I」、「アセクシュアル」の「A」を「LGBT」の後に付け足したもの
- LGBTs……「LGBT」に英語の複数形の「s」を付け足したもの
と、どんどん長くなっていっている。
・「クィア」は「LGBT」よりも前から「変な人」という意味で使われていた言葉で、現代では「LGBTq+」的な使い方になっている。
・「クエスチョニング」は自分の性のアイデンティティについて決めかねている、分からない状態の人、もしくは意図的に決めない人のこと
・「インターセックス」は生まれた身体の構造が男性とも女性とも断言できない人のこと
・「アセクシュアル」は誰に対しても恋愛感情・性的欲求を抱かない人のこと
だね。(詳しくは下のほうのリンク集を参考にしてね)
きっと自分の知らないアイデンティティもこの世界にはあって、今後も定義されるのだろうな、ということで僕は「+」がついた「LGBTq+」を使っている。
「セクシュアル・マイノリティ」とは?

ではセクシュアル・マイノリティはどうなのだろう?
略して「セクマイ」とも言われるが、これは「レズビアン」や「ゲイ」、「トランスジェンダー」などなど種類や分類の名称を使わずに、性のアイデンティティに関するマイノリティをひとまとめに呼ぶ言葉だ。
おおもとのセクシュアル・アイデンティティ、セクシュアリティというのは、
- 身体的性…生まれた身体の性別
- 性自認…自分の性をどのように認識しているか。一般に「心の性別」とも言われる
- 性的指向…どんな性を好きになるか、性愛感情を抱くか、抱かないか。一般に「恋愛対象」とも言われる
- 性表現…ファッションや仕草、言葉遣いなどを、どのジェンダー観(世間的に「男っぽい」「女っぽい」とされる性別観のこと)に当てはめるか。
の4つの組み合わせでできている。

LGBTq+の人が自己分析の指針とすることも多いので「セクシュアリティ=LGBTq+」という印象が世間にはあるが、実は「セクシュアリティ」は全ての人間が持っているものなのだ。
その中でも「マイノリティ」とされるアイデンティティを持っている人を「セクシュアル・マイノリティ」「セクマイ」と言う。
「LGBTq+」が小さい円がどんどん広がっていく感じだったけど、「セクマイ」はとりあえず大きい円がドンッってあるイメージだね。
LGBTq+やセクマイの中の分類はなぜ多いの?

平安時代の日本の「妖怪」観は、「日が落ちた夜の街には、百鬼夜行がある」「よく分からないけど、良くないことが起こる!」と言ったものだった。
それが江戸時代になると、「「ぬりかべ」…夜道で人の歩くのを妨げる透明な妖怪」「「ろくろ首」…普通の人間と姿は変わらないが、首が異常にのびる妖怪」といったように、姿・名前・特徴が図鑑となって現れる。
これは博物学といって、植物や動物などの種類や性質、分布などを整理する学問が、江戸時代に西洋から日本に輸入された影響があると言われている。
ポケモンもこの博物学のシステムでゲームが進むね。
ピカチュウ……ねずみポケモン、でんきタイプ、高さ、重さ……みたいにポケモン図鑑は本当にいるかのように詳しい。
一方で信ぴょう性が全くないけれど「血液型の特徴!A型はこういうとき○○する!B型は××するよね!O型は……」というように、娯楽面にもなんちゃって博物学的な要素をみることができる。
この「博物学的な流れ」が1つ。

もう1つは人権意識の向上だろう。
戦時下は「男は兵隊として闘い、女は子どもを守って次世代の兵隊を育てよ」という意識だったため、「絵を描くのが好き」「天体観測が好き」といった闘いに直接関係のない特技もムダにされ、セクシュアリティも「男・女、以上!」という余裕のなさだった。
ここから数十年が経過し、人間の色んな特性を受け入れる余裕が出てきた、というのがある。
人間には「自分は何者なんだろう?」という疑問がある。
なのでLGBTq+、セクマイにたくさんの種類が設定されているのだと考えられる。
LGBTq+、セクマイの種類が多いことのメリットって?

「種類が多くてもこんがらがるだけだよ!」
そういう声も多い。
だがもし西洋の人が「中国文化!寿司!」と言っている場面に遭遇したら
「ちょちょちょ、それ日本!」
とストップ掛けたくなるだろう。
多分中国の人も「それ中国じゃないよ、日本だよ!」とビックリするだろう。
こういう場面、けっこうあるんだよね。
「同じアジアだから良いじゃん!日本も中国も同じじゃん!」と西洋の方からは見えるだろう。
日本も中国から文化的影響を受けた歴史はあるが、それでも違う文化がお互い成立してきた歴史がある。

中国の人と友達になって話したときも、お互いに「自分の国だとこうだよ~」「全然違うね!」という発見があった。
LGBTq+やセクマイの細かい種類も同じなのだ。
1つ目のメリットに、行き違いによる不具合をなくすのに役立つ。
「LGBTq+はトイレに困るらしい」と気づいた政治家が、その実地調査としてゲイやレズビアンに話を聞いたとしても
「いや、自分らトイレで困ったことないです」
となる。
何故ならトイレで困るのは、トランスジェンダーだからだ。
トランスジェンダーは自分の性自認と身体的性との不一致があるけど、ゲイやレズビアンという言葉は性的指向しか指していなくて、性自認と身体的性は一致しているからだね。

また2つ目のメリットとして、「自分って何なんだろう……」と1人で悩んでいる場合で
「レズビアンやゲイやバイセクシュアルでもなくて、トランスジェンダーでもない。
けど、シスジェンダー(性自認と身体的性が一致している人)ともヘテロセクシャル(異性愛者)ともなんか違う……」
とニアピンしているときに
「ノンバイナリー(そもそも「性別」という枠を自分に設けない人)は?
リスロマンティック(自分は恋愛感情を抱くが、誰かから恋愛感情を抱かれるのは嫌な人)は?」
と細かい種類、かゆい所に手が届く分類があると「それだ!スッキリ!!」と、もうモヤモヤと悩むこともなくなるかもしれない。

特に物心ついたくらい~思春期は、LGBTq+・セクマイを最初に自認する頃であり、「自分は何者か?」を重く受け止める時期だ。
こういう子どもを助けるきっかけにも、たくさんの分類はなり得るのだ。
LGBTq+、セクマイの種類解説のリンク集

このブログではLGBTq+の基礎情報も発信しているので参考にしていただきたい。
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