
こんにちは、Miyabiだ。
FTMの人で真っ先に出てくる思いとして
「生理を止めたい」
というのが多いのではないだろうか。
FTXの人やノンバイナリーの人にもいるかも
僕もFTMの1人で同じ思いをずっと持っていた。
だが世界のFTMなどの人々を見てみると、必ずしも生理を止めているわけではない事にも気づいたのだ。
今回はFTMなどの生物学的に女性の人が何故生理を止めたいと思うのか、生理を止める方法、生理とジェンダーについてお話していこう。
目次
生理を止めたいと思うFTM
何故生理を止めたいの?

FTMの人には「生理を止めたい」と思う人がいる。
僕もその1人だ。
理由の1つは
「女の子には月経がきます。「生理」とも言うね」
と、親だったり友人だったり保健の授業だったりで聞かされるからではないだろうか。
「自分は女の子ではないから、生理も来ない」と思っていたら、思春期のある日、突然生理がやってくる。
フラグが回収されてしまった…
生理が来た事実から逆算すると、周りの人は「女の子には生理がくる」と言っているのも踏まえると、「あなたは女の子だよ?」という押し付けを、自分の体からされていることになるのだ。
だから、性自認が男性である(または女性ではない)人にとって「生理は止めるべきもの」という考え方になるのだと推測する。
【経験談】自分の愛犬の避妊手術を見て、希望を抱く

僕も生理が来たときには、「え、何で」と頭が混乱した。
まるで、頑張って書いて提出した作文を「先生の考え方と違うから」という理由でバツを付けられたような、算数のテストで正解しているはずなのに「まだ習ってない公式使ってるから」という理由で減点されたような、そんな感覚だ。
その同時期に、飼っていた小型犬が避妊手術をすることになり、
「子宮をとるから、この子は生理もこないよ。でもこの方が長生きするからね」
と親に聞かされ、「これだ!」とも思ったのも思い出す。
こんな小さいワンちゃんができるなら、大きい人間の自分が医学的にできないわけない。
何でもいいから、希望がほしかったのだ。

他にもFTMの方の経験談を見てみると「初潮が来たことで、自分に男性器が生える希望を失った」という人が多いが、僕はこの後も中学・高校で保健の授業を受けるたびに「自分は男だから、いつか精通がくるはずだ」と思ってたくらいだから、楽観的なのだと思う。
保健の教科書も「女の子はこう(生理から出産など)。男の子はこう(精通など)。」と書いてあったので、FTMの僕から見るとどう考えても「男の子の方が自分」だったのだ。
「性別」と一言にいっても「身体性」「性自認」「性表現」とがあるから、ただ単に「女の子」「男の子」ってすると矛盾がでてくるよね。
生理を止める方法は?

一番初めに出てくる選択肢は、ホルモン治療だろう。
男性ホルモンを打ってしばらくすると、卵巣の働きを弱める(あるいは一時停止する)ことができる。
なので生理を止めることができるとのこと。
僕はこの方法で止めている。
とはいえ、ホルモン治療の効果は人によりけりで、「1度目から生理が止まった!」という人もいれば「数回目で止まった」人もいるし、「ずっと打ってるのに生理が止まらない」という人もいる。
また、ホルモン治療は卵巣の働きを完全に停止させるものではないので、治療を中断すると、再び卵巣の働きが戻る。
止まったとしても、ホルモン治療は生理を「一時停止」させてるって考えるといいかも。
他にもホルモン治療による効果・副作用はあるので、打つ前にはお医者さんに相談しよう。

もっと確実に生理を止める方法と言えば、性別適合手術となるだろう。
FTMの場合、子宮や卵巣を摘出するので、生理のシステムの根本を断つことになる。
だが難点が多い。
- 手術費用が高い
- 手術費用の他にも、診断書代、検査代、海外でやるなら渡航費・あるいはアテンド代など、お金がかかる
- 体に負担のかかる手術なので、学校や仕事を休む必要がある。
- 「手術」なので、命に係わる危険がある。
などなど。

戸籍の性別変更に必要な項目として性別適合手術が入っているが、実はお金や命にかかわる難しい決断なのだ。
「これを乗り越えたら、権利を認めてあげる」状態の法律なので、手術を軽く見ているし、そもそもトランスジェンダーを下に見ているし、憲法の基本的人権に反している。
早く性別適合手術なしで自分の性別を生きれる日本になってほしい。
ということで
ホルモン治療も性別適合手術も医療的なことなので、必ずジェンダークリニックなどでFTMに詳しいお医者さんに相談しようね。
生理のある人とジェンダー

保健の授業などで
「女の子は生理がくる」
と教育される。
だから「男」であるFTMは、生理がくることに絶望感を覚える。
その逆で、「女」であるMTFの方もつらい思いをされているだろう。
つまり、「生理」という身体的現象が「女性らしさ」というジェンダーに結び付けられている状態である、ということだ。

だが自分でどうしようもない身体的現象を見て「男性」「女性」と決めるのは、ちょっとおかしい。
シスジェンダー男性・女性(身体も性自認も一致している人)で不妊症の方などもつらい思いをしているのも、忘れてはいけない。
世の中が「LGBTq+を差別しようとしたら、仲間だと思っていたヘテロセクシャルのシスジェンダーを傷つけていた」状態となって、良いことがない。
なので、生理に関しても「身体性が女性の人に来る」と前提を変えたり、「生理の来ない女性」「生理のある男性」の認知を広げるのも続けたい。
そうすることで、色んな可能性を持っている世界を守りたい。
まとめ

今回はFTMと生理についてお話してきた。
生理を止める理由として僕は、FTMである以外にも、生理がくると外だろうがトイレだろうが、床に這いつくばってしまうほど重くて生活に支障が出るからという理由もあった。
なのでホルモン治療をして良かったと思っている。
FTMの中にも、ホルモン治療や性別適合手術をしたい人・したくない人・できない人とがいる。
たくさんの現状と考え方があるのだ。
それをひとまとめにして「こうだから、こう」と同一の選択肢しかない状態にしたくない。
「生理」が「女性らしさ」というジェンダーに結び付けられていなかったとしたら、どうしたいか?
このポイントも一度考えてみると良いかもしれない。