
こんにちは、Miyabiだ。
「自分の性別が分からない…」
そう悩んでいる人は少なくない。
自分の性別が何かという自己認識のことを性自認というが、その性自認が分からない・決めかねている状態をクエスチョニングという。
クエスチョニングはLGBTq+に含まれていると考えられ、かく言う僕も学生時代はクエスチョニングだった。
今回はクエスチョニングとはどのような感じか、クエスチョニングを選択することの利点は何かについてお話していこう。
目次
性自認がわからない→クエスチョニングと言ってみよう
クエスチョニングとは

クエスチョニングとは、自分の性自認、あるいは性的指向(恋愛対象、性愛対象のこと)が定まっていない状態、またはその状態を受け入れている状態のことを指す言葉だ。
「性自認」「性的指向」についての詳しい解説やLGBTq+の概要は、下のリンクの記事に書いているので参考にしていただきたい。
「自分の性別がわからない…」
「生まれた体の性別が、いまいちしっくりこない・違和感がある」
「自分はどの性別の人が好きになるかわからない」
このような状態で悩んでいる人や、「分からない」という状態を受け入れて生きている人のことをクエスチョニングというのだ。
性自認のクエスチョニングについて←Xジェンダーとは違うのか?

性的指向のクエスチョニングは、恋愛感情を誰かに抱いたことが無かったり、「自分は男性/女性を好きになると思っていたけど、そうじゃない人に恋愛感情があることに気づいた」という発見などで「あれ、自分って恋愛対象は何だろう?」と疑問を感じることもあるだろうことは想像がつきやすい。
では性自認のクエスチョニングはどうだろう?
「「どの性自認かわからない」はわかるにしても、「わからない状態を受け入れている」というのはXジェンダーと何が違うの?」
そう思った方もいるだろう。
確かにXジェンダーの種類には「男性でも女性でもない無性」や「性自認が時によって変わる不定性」がある。
またノンバイナリーという、そもそも性別の概念を持たない性の在り方もある。
一見、似ているように感じるのは分かる。
これらは、Xジェンダーやノンバイナリーは確定している点においてクエスチョニングと違ってきているといえる。
「男性でも女性でもない無性」や「性自認が時によって変わる不定性」や「そもそも性別の概念を持たない」というのは、「わからない」からそうしているのではない。

確かに世間的に「性別は男性と女性の2種類」という固定概念から見ると「Xジェンダーやノンバイナリーは性別を分かっていない」ように見える。
だがFacebookが性別を50種類以上プロフィールに書けるようにしているように、性別は世の中にたくさんある。
また、「「日本人」「アメリカ人」「中国人」ではなく「人間」としてとらえよう!」としている感じで、「性別を決めて縛られるのではなく「自分らしく」しよう」という考え方もあるのだ。
これらの多様な性別観を見ていった上で、「当てはまるものがない気がする」「これかもしれないし、あれかもしれない…」「決定は今は保留で」というのがクエスチョニングと考えると分かりやすいかもしれない。
クエスチョニングという生き方
クエスチョニングは大事

「クエスチョニングってもやもやする」「サクッと決めちゃった方が良いのでは?」
性自認がわからないというのは、けっこう精神力を使う。
なので「はやく性自認を決定しないと…!」と焦ってしまう人もいる。
僕はトランスジェンダー男性で、性自認を男性と決定するまでかなりかかった。
クエスチョニングの時期は性別に違和感を抱えながら「この違和感は何だろう?」とLGBTq+について調べることで、今の性自認に辿り着いたのだ。
最終的に性自認を確定してめでたしめでたし…だが、今考えるとクエスチョニングはとても大事な時期だったと感じる。

古代ギリシャの哲学者・ソクラテスが「無知の知」と言ったように、「知らない」「分からない」ことがあると自覚することは、調べたり考えたりすることを促してくれる。
「性別の違和感」と一言で言っても、ジェンダーに違和感があるのか、セクシュアリティに違和感があるのか、自分の周りの人の価値観に違和感があるのか、性的な目で見られることに違和感があるのか分からない。
どれか1つだけの人もいれば、全てに違和感を抱える人もいる。
なので「自分の性別がわからない」とふと思ったときに、ジェンダーやセクシュアリティの違いなどを調べたり、自分が違和感を抱いた出来事について分析したりを丁寧にやっていくことが重要なのだ。
ここで「分からないから女でいいや!」「もう男ってことで!」「モヤッとするしXジェンダーだ!」と安易に決めてしまい、もしホルモン治療や性別適合手術をしたりすると、元に戻れない体の変化が起こってしまう。
変化した結果、性自認と合わない・性別の違和感が無くならないということになる可能性が起こるのだ。
精神的負担を少しでも減らすための治療が全く無駄になってしまうのは、心も財布もきつい。
なので「自分の性別がわからない」「性自認が決定できない」と感じる場合は、LGBTq+や性別についてをじっくり調べたり、自分の認識や自分像を丁寧に確認する期間として「クエスチョニング」という性別を一時的にも選択してみるのが大事なのではないかと思う。
性別を決めることよりも、あなたらしく生きることの方が大事だ。
まとめ

今回はクエスチョニングについてお話してきた。
「分からない」と思ったときには2種類あって、「そもそも知らない・知識が足りていないので勉強する時期」か、「研究段階」かだと思う。
「研究」は勉強と違って、色んな資料や実験、計算、観察などを突き合わせて真実を明らかにしようという行為だ。
なので「地球は球体だ」のように結論が出るときもあれば、「宇宙の外側はどうなっているのだろう」のように結論が出ずにずっと研究段階が続くものもある。
クエスチョニングもまさにこれだ。
性別やLGBTq+のことを知らないから「分からない」となっている場合は、まずは勉強をすると解決するかもしれない。
知識や情報は得ているけど、まだ「分からない」場合は、最新の性別やLGBTq+の情報や当事者の経験談などの資料と自分の認識などの観察をじっくりしていくと、結論がでるかもしれない。
結論が出ずに研究が続くかもしれない。
でも「地球が球体なはずはない、平らで果ては滝になっているんだ」と従来の固定概念に縛られて他の大陸や国のことを知らないよりも、「地球の反対側にはこんな国があるのか!」と住むところ・旅先・服や音楽などの文化を選べる方が「あなたらしさ」を発揮できる機会が増えるのではないだろうか。