
こんにちは、Miyabiだ。
中性的な人物は漫画や小説などを辿っていくと、古くから人気の高いキャラクターの特徴の1つだと言える。
「男は男らしく、女は女らしく」って制限を突き破ってくれるから、「カッコイイ!」「良い人!」って思えるキャラクターが多いよね。
最近ではジェンダーレスという呼称が一般的になるなどして、女性が男性らしい格好をしたり、男性が化粧をしたりすることが「普通のもの」とされ出した。
とはいえ、ジェンダーレス「男子」、ジェンダーレス「女子」というように、性別自体は男女どちらかの生まれた体の性別が前提であることが多い。
そんな中
「中性的な女子・男子じゃなくて、自分は中性の人になりたい…」
こう感じる方もいるだろう。
今回は「中性的」ではなく「中性になりたい」と感じる方に向けて、性自認のお話をしていこう。
目次
中性になりたい
そもそも中性とは?

「中性になりたい」
この言葉1つにも、人によって色んな理想像が考えられる。
「男とか女とかいう性別がうざったい」って思いから「中性になりたい」って言っても、話し相手が全く違う「中性ってこんな感じ!像」を持っていたりするよね。
僕はトランスジェンダー(身体の性別と、性自認が一致していない人)で、性自認を確信するまでは「もしかして中性なのかな…?」と考えていた時期がある。
結果的に男性に落ち着いたが中性について知ることで、どちらがより自分に当てはまるかを考えることができた。
では「中性」とは何だろう?

「中性」とは性自認の1つだ。
特に日本では、Xジェンダーの内で「男性と女性の中間地点の性」だと認識している性別のことを指す。
↓もっと他のXジェンダーの種類を知りたい方は、こちらをどうぞ。
実際に友人の話やネットで交わされる会話を見てみると、そこで挙げられた「中性」は
- 細身の美形
- ジェンダーレス・ファッション
- 性別にとらわれない人
- Xジェンダー
とその人の見た目や価値観、性表現(ファッションや仕草、言葉遣いなどを、どのジェンダーを意識するか)、性自認と、着目している点が人によって違っていることが分かる。
LGBTq+とかマイノリティとかがまだちゃんと理解されていない頃からある日本語だから、「中性」っていうとどうしても、ざっくりと、ニアピン勢もまとめている感じが良くも悪くもあるんだ。

「中性=美形でないと…」という思い込みや、「男っぽくもなくて女っぽくもないってことは、きっと性別にとらわれない人なんだ」「恋愛対象も同性なんだ」と性自認ではない範囲までを断定してしまうことが起こりやすい。
「美形じゃないから…」「恋愛対象は…」というのはひとまず置いといて、最初は「自分の性自認は?」について考えてみると良いだろう。
↓こちらの記事では「性別って「定義」が変わると揺れることがあるよね」という話の中で「Xジェンダー」についても触れているので、良かったらどうぞ。
性自認と性表現

「中性」と「中性的」の違いが紛らわしいと感じる方も多いだろう。
思うにこれは、性自認と性表現の違いだ。
また分かりにくい日本語、出た……
解説してよね。
分かった、ちゃんと解説しよう。
中性は性自認。
性自認とは「身体の性別はいったん置いといて、自分のことをどういう性で認識しているか?」のことで、いわゆる「心の性別」というものだ。
「自分は女だ」「自分は男だ」と目の前の人が言っていたとしたら「この人は自分を女/男だと認識して生きているんだ」と感じるのと同じで、「自分は中性だ」と言われたら「なるほど、性別の話ね」「この人は自分を中性だと認識して生きているんだ」と思えばオッケーだ。
補足として先ほど挙げたように、男性でも女性でもないXジェンダーの中に「男性と女性の中間地点の性」という種類の性自認がある。

中性的は性表現なのではないだろうか。
「的」と付いているように、中性「と思われるような」見た目というニュアンスが中性的という言葉にある。
「自分は女的だ」「自分は男的だ」と言われると、「本当は女/男と認識していないけど、相手に与える自分の特徴として言ってるのかな……?」感があるだろう。
性表現とは言葉遣いやファッション、仕草など実際に目に見えるところを、どの性別を意識してやるかのことだ。
性自認が男性でも女性でも中性でも、「中性」を意識した見た目をすると「性表現は中性」となり、つまりは「中性的」となるのだ。
ノンバイナリーという考え方も

性自認や性表現には「ノンバイナリー」という考え方も存在する。
Xジェンダーが男性・女性の2つの性別を基準にして「自分はどこの位置にいるか?」を考えるのに対して、ノンバイナリーは男女という性別そのものを枠としない考え方だ。
自分の体の性別に関係なく、性自認・性表現を男女の枠に捉われずに生きるのがノンバイナリーなのだ。
性表現に関して、ノンバイナリーは男性的・女性的・中性的のどれであっても「自分らしい」と感じたものは性別問わず取り入れる人が多い。
ファッションなどの選択の軸に、男性・女性・中性などの「性別」があるかないかの違いと考えて良いだろう。

どちらが良いというわけではなく、あくまでも「自分らしい」のはどれか?という問題だ。
中性が自分らしいと感じれば中性で良いし、「もしかしてノンバイナリーかも?」と感じればそれで良い。
両性具有って?

両性具有は神話の世界やファンタジーなどでよく聞くし、現実にも存在する身体の性別だ。
戸籍登録するために生まれた体は男性・女性の2種類でしか語られず、インターセックス(両性具有的な身体性)で生まれた人は、親や医者など大人の意見で男女のどちらかの性別に決められて登録されてしまう。
インターセックスとは、大半の場合は不完全ながら男性・女性の生理学的性質を兼ね備えている人たちのことを言う。
中性含むXジェンダーが性自認(心・認識)としての第三の性だとしたら、インターセックスは身体的(体・物理)としての第三の性と言える。

性自認が中性の人の体の性別は、男性・女性・インターセックスなど人によって違う。
同じように、インターセックスの体の人の性自認も、男性・女性・Xジェンダーなど人それぞれである。
中学生くらいのとき「両性具有だったら僕もこんなに自分の性別で悩まなかったのかなぁ」と妄想していた時期があったので、インターセックスについても調べて紹介してみた。隣の芝は青い…
どの体で生まれても、「自分らしい」と思えば万々歳だし、そうでなかったら「どうすれば自分らしいのか?」を追求するのは人の持つ自由だと思う。
↓自分らしい性のアイデンティティで生きるとき、「性表現」はお金がそこまでかからず、最初に自分1人でできる変化だ。
まとめ

今回は「中性的」と「中性」についてお話してきた。
中性とはXジェンダーの内の1つの性別のことだが、一般的に聞く「中性的」と入り混じって色んな価値観や見た目を含んだ「広義の中性」があるなぁと感じたのがこの記事を書くきっかけだった。
性自認や性表現についても日本のように男女2つの性別オンリーの世界だけではなく
「世の中にはたくさんの性別があるんだ」「そもそも性別という概念を持たずに自分の尺度だけで生きてる人もいるんだ」
と知れれば、「自分は男性/女性」「自分は中性」「ノンバイナリーかな」などあなたが一番自分らしいと感じる生き方を選択できる。
なのでこのブログでは色んなセクシュアリティや、それに関するアート作品などをこれからも紹介しようと思う。