こんにちは、Miyabiだ。

「自分の性別に違和感を感じる」「生まれた体の性別と心の性自認が一致しない」と思っている状態や人をトランスジェンダーという。

「体を心の性別と一致させたい」という状態を性同一性障害(GID)と言って、「トランスジェンダー」という言葉よりも狭い範囲であり、医療用語だ。ちなみにWHOでは性同一性障害を精神病から削除し、新たに「性別違和」「性別不合」という項目を設けている。

ところで、性同一性障害やトランスジェンダーの人はうつ病発生リスクが高い。

もしかしたらこの記事を見てくれている方の中には、既にこうした悩みを持っている方もいるかもしれない。

何故、性同一性障害・トランスジェンダーの人はうつ病になりやすいのだろうか?

今回はこのお話をしていこう。

性同一性障害・トランスジェンダーとうつ病

うつ病とは?

まずはうつ病について見てみよう。

うつ病とは、精神的ストレス・身体的ストレスが重なるなど、様々な理由から脳の機能障害が起こっている状態のことを指す。

症状は様々で、気分が重い・不安・イライラなど自分で感じるもの、反応が遅い・落ち着かないなど周りから見て分かるもの、動悸・肩こり・胃の不快感など体に出るものがある。

はっきりとした原因は分かっていないが、過度のストレスがきっかけで起こることもあると考えられている。

その過度のストレスの主な原因が「人間関係からくるストレス」「環境の変化からくるストレス」となっている。

性別の違和感とストレス

僕はトランスジェンダー男性で、うつ状態を治療した経験がある。

といっても僕の場合は性別の違和感だけが原因ではなく、それこそ人間関係や環境、将来の心配などなど色んなことが重なっていたことも原因にある。

だが、性別の違和感が元で生じた色んな不安が結果、人間関係や環境、将来の不安に繋がっていたことも側面としてある。

「性別の違和感」というと、世間では「オカマ」や「オナベ」といったギャグ的なものを思い浮かべたり、「男の俺が女の子と入れ替わっちゃった~??胸と股間に違和感!」といった楽し気な漫画などを思い浮かべたりするだろう。

「別にいいじゃない」「楽しそう」「その経験が作品づくりのヒントになるんじゃないの、オトクじゃん」と思った方もいるだろう。

元気づけるためにそう言った人もいるだろう。

実際、僕もそう言われたことがある。

では現実のトランスジェンダー・性同一性障害はどうなんだろう?どういった違和感を抱えているのだろうか?

「違和感」だけでいうと、それこそ「胸と股間に違和感」だったり「生理が来る/ない」「射精がある/ない」だったり「制服が違う」だったり様々だ。

これだけだと入れ替わりものの漫画や映画のように見える。

違うのは、深刻さだ。

「胸と股間に違和感」「生理」「射精」だけで胸をえぐるほどの屈辱感と苦痛があるのだ。

入れ替わりものだったら「本来の体がある」のでいつか戻れるのだが、性別に違和感のある人は「本来の体」がない状態でスタートするのでその不安もある。

そして一番は、これらの違和感を人に相談することができないことではないだろうか。

人に相談しても上に書いたように冗談やギャグ扱いされてしまう、排斥される恐れがある。なので1人で抱えてしまうことが多いのだ。

この違和感からくる精神的なストレス、性別の違和感をギャグ・あり得ないものと見なす世間が原因で起こる相談できないことのストレス受動喫煙ならぬ受動バッシングのストレス

「自分を出せない」ことから、実際にいじめられたりしていなくても不登校になったり自殺願望が出たりする場合もある。

これがトランスジェンダー・性同一性障害の人がうつ病を発症しやすい原因と考えられる。

子どもだと余計、情報を制限されている状態にあるので、周りが必要な情報にたどり着けるようにサポートすると良いだろう。

最近ではインディーズゲームがLGBTq+を本当に普通の人としてキャラクターにしているものが増えている。

こういうのが増えれば、うつ病になるLGBTq+を減らせるのではないだろうかと思う。

精神科と性同一性障害

GID(性同一性障害)の診断は精神科・メンタルクリニックが現在行っている(2020年)。

だが性同一性障害やトランスジェンダーのことを理解している病院は少なく、お医者さんの中には偏見があったり、ガイドラインに載っている必ずしも正しくない項目を理由に診断を拒否されるケースもある。

また「うつ病はみるけど性同一性障害は知らない」という病院も都内にも多くある。

性別の違和感が原因でうつの症状が出ているのにお医者さんにも相談できないのはツラい話だ。

同じことから、ホルモン治療や手術を希望する場合、診断書を出してくれる病院を探すのも1つのハードルとなってしまっている。

だが裏を返せば、GIDのことが分かっているお医者さんが見つかれば、あなたの性別の違和感をどうすればなくせるかの相談ができるので、うつ症状の改善のきっかけになることもある。

法律がない

LGBTq+の人権

法律を見てみると、「LGBTq+はいない」前提になっていたり、LGBTq+に関するものでもかなり人間として見ていないで制定されているものがある。

LGBTq+の人権は20世紀から叫ばれ始めた。

これは勘違いされがちだが「LGBTq+に人権を渡せ、普通の人なんか知らん!」と言っているのではない。

「「普通」とされている人と同じ人権をLGBTq+も欲しい」という意味だ。

最近、札幌市であった裁判で「同性婚を認めないのは違憲」と初めて判断された。

これはとても偉大なことだと思う。このニュースが流れた日のSNSで同性のパートナーを持つ方たちが喜んでいるのを見て、僕も幸せな気持ちになった。

幸せになれる方法を知っている人たちを邪魔するものが取り除かれそうな予感がする。

裁判や法律では前例を重要視するので、その「前例」を作った札幌地裁は純粋にすごいと感じた。

これで首都も国も動くと良い。

「同性婚は生産性がない」と言う人もいたが、それは同性パートナーと育児をしようとしている人の意思異性婚していても子どもができないと困っている人子どもを持てない・持たないと判断した人親を持てるかもしれない子どもの希望をも根こそぎ無視してしまっている。

LGBTq+も「普通」とされる人と同等の権利が必要だ。

それはLGBTq+以外も含む色んな可能性が見えるきっかけにもなる。

守ってくれる法律がない

法律なんて紙きれだ。

確かにそうかもしれない。同性婚にしても、一生仲違いが起きず円満で、病気もせず、2人同時に自宅で安らかに逝けるのであれば、婚姻届けも必要ないかもしれない。トランスジェンダーもリスクある手術を我慢するか、戸籍や証明書の性別欄に目をつぶれば生きていけるかもしれない。

だが現実はそうではない。

異性のカップルを見ても、離婚や不倫、DVなどが起こっているのはご存じだろう。

病院では「家族以外面会禁止」となって、法律上の家族という縛りが出てくる。

遺産相続においても法律上の家族の縛りが出てくる。婚姻届けがなければ「他人」扱いなのだ。

トランスジェンダーも違う性別を名乗るのはストレスが尋常ではないし、戸籍の性別を変える法律は現実的ではない

これらがストレスになってうつ病を発症するケースも考えられる。

同性婚については札幌地裁の判決が「前例」になることで希望が見えてきた。

トランスジェンダーの戸籍の性別変更についてはWHOが「精神病」区分から削除して「性別不合」カテゴリーを新設したことから、国際社会に置いて行かれないように法律も見直されるかもしれない。

ところで、震災が起こったときにSNSで「千羽鶴はいらない、食料と水がほしい」と流れてきたのを知っているだろうか。

これはきっと被災者の声なのだろう。僕はこれを見て「…たしかに」と深く納得した。

LGBTq+のことを支援したくても手探りで千羽鶴を送ろうとする人もいるかもしれない。

もしかすると知らな過ぎて「千羽鶴を与えるに値しない」と感じている人もいるかもしれない。

当事者がどういう人たちでどう感じているか、何が必要かというのを、法律を決めれる人、法律を扱う人に伝えることも大事なのだと思う。

そして法律が変わったとき、LGBTq+の抱える「普通なら抱えずに済むであろう」幾重にもなるストレスが少しずつ軽減されていき、うつ病のリスクも減らすことができるだろう。

まとめ

今回は性同一性障害・トランスジェンダーの人とうつ病についてお話してきた。

中には良い仲間に恵まれるなどしてイキイキしているトランスジェンダーも確かに存在する。

とはいえストレスとなる原因が多いのも事実だ。

情報を得られるだけでストレスが軽減されることがある。

なのでこのブログや自分の絵画作品、他の人・歴史上に残る人が制作した作品を通してトランスジェンダーやLGBTq+のことをお伝えする活動を続けて生きたい。