こんにちは、Miyabiだ。

僕は今はトランスジェンダー男性だと自認しているが、学生時代は学校などでLGBTq+の授業が全くなく知識がなかったので「自分の性別が分からない」とずっと思っていた。

性自認(心の性別)は外見からは分からない、あなたの心にあるアイデンティティだ。

「自分の性別が分からない」という人には結果的にトランスジェンダー男性・女性もいれば、Xジェンダーやノンバイナリーと呼ばれる人たちである可能性もある。

LGBTq+で悩んでいる人は大人だけではない。

LGBTq+の人は子ども時代からLGBTq+だ。だが大人や学校がLGBTq+を教えないことで「自分は何なんだ?」「誰にも相談できない…」と悩む子どもが多いのだ。

今回はXジェンダーノンバイナリーについてお話していこう。性のことで悩んでいる人の助けになれば幸いだ。

Xジェンダー、ノンバイナリー

LGBTの用語は「レズビアン(L)」「ゲイ(G)」「バイセクシュアル(B)」「トランスジェンダー(T)」の頭文字をとって作られている。

人間の性についての理解や「自分はこうだ」という当事者の声により、この4つだけではない性の在り方があることが明らかになり、LGBTq+というように「クィア、あるいはクエスチョニングのq」「その他もあるの+(プラス)」が付いた。

Facebookでは50種類もの性別が登録されている。性別だけで50もあるのだから、恋愛対象も含めるともっと種類はあり、決して4種類だけではないことを知っておいてもらいたい。

そしてあなたの今感じることを丁寧に整理していこう。

セクシュアリティについて以下の記事も参考にしていただきたい。

Xジェンダーとは?

では今回取り上げる用語について詳しく見ていこう。

Xジェンダーとは、自分の性別を「男性」「女性」とどちらか一方に定めないセクシュアリティのことだ。

「Xジェンダー」という単語自体は日本語であり、「第三の性別」などと翻訳される。

Xジェンダーの人には中性・両性・無性・不定性などの種類がある。

  • 中性…男性と女性の中間にいる、と感じる性。どちらでもない、どちらでもある、というよりかは「真ん中の地点」。
  • 両性…男性・女性のどちらでもある、と感じる性。人によって「男性80%、女性20%」「男性50%、女性50%」と内包する割合は違うが、その割合が変化することはない。
  • 無性…男性・女性のどちらでもない、と感じる性。男性・女性という概念は自分にはない、と感じる。
  • 不定性…性自認が男性・女性・中性・両性・無性など、時と場合によって流動的に変化する性別。

当事者でないと「中性と両性の違いってあるのか?」と完全には理解できなかったりする。

また、XジェンダーはGID(性別不合、性同一性障害)の診断のように、お医者さんに診断書を書いてもらえる性別でもない。

あくまでも、あなたの感じ方なのだ。

主に4つに分類されるが、自分がXジェンダーの中でも中性か両性か無性か不定性かは、あなたが一番しっくりくる考え方を選ぶといいだろう。

ノンバイナリーとは?

ノンバイナリーとは、生まれた体の性別に関係なく、自分の性自認・性表現に「男性」「女性」といった枠組みを当てはめないセクシュアリティのことを言う。

一見Xジェンダーのように見えるが、ノンバイナリーは性表現(ファッション、しぐさ、言葉遣いなどの表現)にも及んでいる。

また、Xジェンダーは「男性と女性の中間」「どちらでもある」のように「男女二元論」による考え方が元になっていることがあるが、ノンバイナリーは完全に枠組みがない。

「ジェンダーレスってこと?」と考える方もいるだろう。

ジェンダーレスは一般的に中性的な人を指して言う言葉だが、それはその人の価値観のことを指しているだけで、その人の性自認、場合によっては性表現には言及していない

なので、ジェンダーレスな人が「男です」「女です」という性自認があることが多いが、ノンバイナリーは性自認自体「男女のどちらかではない」という性自認なのだ。

また、トランスジェンダーやXジェンダーなど他の性自認の言葉と同じように、性的指向(恋愛対象)については含まれていない

恋愛対象が何であろうと、性自認・性表現が男性・女性のどちらか一方に当てはまらないと感じるならばノンバイナリーと言える。

クエスチョニングとの違い

社会的に性別二元制が主流となっているので、Xジェンダーやノンバイナリーのように「男女のどちらかではない」と言うと「自分の性別が分からないってこと?」と認識されてしまうことがある。

「男女のどっち!?」と聞かれると分からなくなってしまうだけで、Xジェンダーやノンバイナリーは「Xジェンダー、ノンバイナリーという性別」を自認している。性別が分からないわけではない。

だが一方で「男女のどちらでもない、けどXジェンダーやノンバイナリーなのかも分からない」という人もいるだろう。

これは「性自認が分からない」ということで「クエスチョニング」と呼ばれている。

クエスチョニング期は自認が揺れることがある

クエスチョニングの時期は色んな性自認を考えるだろう。

僕はトランスジェンダー男性だが、そう自認する前は「トランスジェンダーで男性になるということはムキムキでヒゲを生やしたマッチョにならなきゃいけないんだ」「自分はそんな男らしい感じじゃないからXジェンダーなのかな」と思っていた時期がある。

トランスジェンダーは性別を生まれた体のものから変更するので、変更先の性別らしくしなければ周囲からの理解を得づらい状況にある。

なので僕は「男らしくなきゃトランスジェンダー男性と言えない」と思ってしまっていた。

だが、生まれた体が男性の人で男性として生きている人を見てみると、必ずしもマッチョではない。それどころかモヤシのような人も普通にいる。

「男」というセクシュアリティ「男らしく」というジェンダーは別物なのだ。

これが分かって、安心してトランスジェンダー男性を自認できた。

僕の場合はクエスチョニング期に男性とXジェンダーを仮として自認していた。

性自認が揺れることはXジェンダーの不定性と似ている。

だが、僕の感じた性別の揺れは完全に自分の勉強不足からだ。それに対して不定性は、それ自体が性別として納得しているものとなる。

「自分の性別は何だろう?」と感じたら、セクシュアリティとジェンダーのこと、LGBTq+のことなどを調べてみると、あなたの性別に自信を持つことができるだろう。

あなたの目指す「カッコイイ像」は?

ここまで性別についてお話してきた。

僕の体験談で「トランスジェンダー男性は「男らしく」しなきゃ」といった誤解が出てきたが、性自認の話をするとジェンダー観を押し付けられる可能性がある。

「女性ならスカート履かなきゃ」「男性なら筋トレしてマッチョにならなきゃ」

だが、女性でもズボンを履くし、男性でもマッチョではない人がいる。

これらのジェンダー観は性自認とは全く関係がないからだ。

Xジェンダーやノンバイナリーの人も含め「こんなことすると女性・男性っぽくなっちゃう」という懸念もあるかもしれない。

とはいえ、一番大事なのは「あなた自身を生きる」ことだ。性自認もあなた自身を生きるための条件の1つだ。なら性自認を足かせにするのではなく、自己表現の1つにするのだ。

「スカート履きたいと思わないから女性じゃない」「筋トレ好きだから男性になっちゃう」と考える必要はない。

あなたのしたいことと性自認は別物として考えよう。

まとめ

今回はXジェンダー、ノンバイナリーを始めとした「自分の性別が男女どちらか分からない」ということをお話してきた。

「LGBTq+の話をすると子どもが混乱する」という意見を聞くことがある。

だが、一番混乱するのはLGBTq+当事者なのにも関わらず、LGBTq+の情報を得られない環境に置かれてしまう子どもだ。

LGBTq+は何かの「キッカケ」でLGBTq+に「なる」わけではなく、子どもの頃から自分で認識していることが多い。

大人が混乱せずに「当たり前」として扱えば、子どもも混乱しない。

なので僕はブログと絵画制作でLGBTq+の情報を広く伝えたい。