
こんにちは、Miyabiだ。
僕はトランスジェンダー男性(FTM)で、現在ホルモン治療を始めて1年を過ぎようとしている。
「男性ホルモンを打つってどういうこと?」「FTMの女性ホルモンはどうなるの?」「副作用ってあるの?」
トランスジェンダーの男性かもしれない、これからホルモン治療を受けたい、また身近にFTMがいるから知っておきたい。
そんな人のために今回はFTMの男性ホルモンの治療についてお話していこう。
目次
男性ホルモン治療
治療の種類は?

男性ホルモンの治療にはいくつか種類がある。
注射、塗り薬、飲み薬などあるのだが、日本では注射治療がメインだ。
塗り薬や飲み薬のほうが楽な印象だが、塗り薬は国内の製薬会社から出ていないし、飲み薬に関しては他の方法に比べて肝臓に負担が大きくなるのだそう。
なので日本のFTMのホルモン治療は、筋肉に男性ホルモンを注射する方法がとられる。
ホルモンの筋肉注射とは?

泌尿器科や産婦人科などでホルモン注射が扱われている。
これらはトランスジェンダーの治療の他に、更年期障害の治療でも使われるものだ。
筋肉注射なので肩やお尻などに注射をする。健康診断のときの採血とは違って「注入される感覚」はあれど血が吸われる感じはないので、僕は安心できる。
筋肉注射の痛さについては
- 刺すときの最初のチクッ
- 打ったあとに残る筋肉痛のような痛み
くらいだ。2つ目の「筋肉痛のような痛み」は慣れていくとあまり感じなくなる。
また、同じ場所に毎回打つと跡が残ったり、硬くなったりしてしまう。「今回は右」「今回は左」と交互になるようにすると良いだろう。
筋肉注射の量の種類

男性ホルモン注射には量に種類がある。男性ホルモン注射はテストステロン注射が基本なのだが、
- 125mg
- 250mg
- 1000mg
がある。
短い周期の男性ホルモン剤
125mgや250mgは一度打ってから2~3週間で効果が切れてくるので、2~3週間に一度打つものだ。
「250mgの方が量が多いから効果あるのでは?」と思いがちだ。
確かに治療開始の最初の半年の時点では250mgのほうが男性化の変化は早いのだが、1年後での違いは見られない。
125mgと250mgのどちらを打つかは、自分の体質の問題になる。お医者さんと相談して決めよう。
長期用の男性ホルモン剤
1000mgに関しては3か月~半年、効果が持続する。長期型のホルモン剤だ。
値段がかなり張るのだが、その持続期間から何らかの事情で定期的に病院に行けない人、出張などでしばらく病院に行けない人などが利用するケースが多いらしい。
初めて男性ホルモンを打つときは、まずは125mgから開始して様子を見るのが良い。
男性ホルモンの効果
男性ホルモンを打ったときの体の変化は?

男性ホルモンは最初の1回で劇的に変化が出るわけではない。
だが継続していると早い人で1か月、だいたい半年で変化が現れる。
主なところでは生理が止まる、声が低くなる、ヒゲや体毛が生える・濃くなる、筋肉が付きやすくなる、クリトリスが大きくなる、性欲がの亢進、などだ。
※生まれた体が男性の人にも「僕は体毛が生えないんだよね」という人がいるように、FTMのホルモン治療による変化やタイミングも人それぞれだ。
男性ホルモンの副作用は?

気になるのが副作用だ。
男性ホルモン自体には安全で副作用によるリスクは少ないとされている。
だが、ニキビが顔や背中にできたり、髪の毛が薄くなる・禿げたり、肥満になったりと体質や遺伝によってこのような状態や変化が現れたりもする。
これは自分の血のつながった男性家族を見ると、どういう変化が起きやすいかが分かる。
また、男性ホルモンの注射の効果は早くて2~3週間で無くなるので、この効果が無くなったあたりでイライラが出たりする人もいる。
ホルモンバランスの影響を受けやすい人は、男性ホルモンの注射で体調が悪くなったりする可能性もある。
このような変化は日常生活にも影響が出てしまうので、必ずお医者さん相談してみよう。
女性ホルモンはどうなるの?

男性ホルモンの治療を続けると卵巣の機能を低下・停止させる変化が出る。
FTMで子宮摘出手術を受けていない人は、女性ホルモンは微弱になる。摘出手術をしたFTMは完全に女性ホルモン分泌されない。
摘出手術前であればホルモン治療を中断してしばらくすると分泌が再開するが、それまでの期間は体の中に男性ホルモンも女性ホルモンも少ない状態になってしまう。
子宮摘出手術後の男性ホルモン注射
子宮摘出手術後も骨粗しょう症などのリスクを減らすためにホルモン治療は続けたほうが良い。
だが、摘出手術前に2~3週間に1回打っていたものを、1か月に1回くらいに減らして体を慣れさせていくようにするとのことだ。(僕はまだ手術を受けていないので、手術を受けたFTMさんの話やお医者さんの話を参考にしている)
まとめ

男性ホルモン治療の概要を体験含めてお話してきた。
FTMの男性ホルモン治療は今のところ(2021年)保険適用外だ。なので病院によって値段がまちまちになっている。
僕はFTMの診断書を出してくれたお医者さんに適正料金の病院をいくつか教えてもらった。自分で泌尿器科や産婦人科に電話して料金をリサーチしてみるのも良いだろう。