
こんにちは、Miyabiだ。
生まれた体の性別と自認する心の性別が一致していない人や状態のことを「トランスジェンダー」という。
僕は生まれた体は女性だが自認は男性だ。ホルモン治療をしているので声は低いしヒゲも生えている。
ところで、トランスジェンダーの人の結婚事情はどうなっているのだろう?トランスジェンダーは結婚できるのか?
今回はこのことについてお話していこう。
目次
日本のトランスジェンダーと結婚
トランスジェンダーの恋愛対象は?

「トランスジェンダー」という言葉は性別の自認の問題であって、「ゲイ」「レズビアン」「バイセクシャル」などのように恋愛対象については言っていない。
なのでトランスジェンダーの中でも恋愛対象は多様なのだ。
恋愛対象についての言葉を挙げてみると
- ヘテロセクシャルが異性愛者、つまり自認する性別からみて異性の人が恋愛対象の人
- ゲイは男性の自認の人が男性を恋愛対象にする人
- レズビアンは女性の自認の人が女性を恋愛対象にする人
- バイセクシャルは自認する性別はどうであれ、男女とも恋愛対象になる人
- 自認する性別はどうであれ、相手の自認する性別も関係がない人をパンセクシュアルという
- 恋愛感情はわかないという人をアセクシャルという
これらが主に言われる恋愛対象に関する語なのだが、トランスジェンダーも性別が体と一致している人と同じように恋愛対象は人それぞれとなる。
僕の場合は自認は男性なので、レズビアンを除いて全てに当てはまる可能性がある、ということになるのだ。
トランスジェンダーにとって日本の結婚の障壁は?
戸籍の性別の変更

まず、日本のトランスジェンダーに対する法律が2003年以来更新されていないことに問題が生じる。
上の記事に書いたように、自認する性別に戸籍を変更するのが難しいのだ。
僕はホルモン治療のおかげで声も男性、見た目もヒゲや肌質など男性特有の感じになっている。だが戸籍は女性のままになっている。
トランスジェンダーの異性愛者

現状の日本では異性のカップルであれば婚姻届を受理される。
トランスジェンダーの異性愛者の場合、戸籍の性別を変更することができれば、恋人と婚姻関係になれる。
だが、性別を変える手術費用(保険外)を用意できなかったり、体にメスを入れるのが難しかったりして戸籍を変更できなければ、異性間であるのに結婚ができない。
トランスジェンダーの同性愛者

では同性愛者の場合はどうか。
この場合、トランスジェンダーが性別変更を行わず、戸籍上だけパートナーと異性になっていれば婚姻関係になれる。
だがトランスジェンダーが手術や戸籍変更を希望している場合、その希望を諦めさせることになってしまう。また、僕のようにホルモン治療をしている場合、見た目と書類上の性別が一致せずに煩わしい本人確認に一生苦しまなければならない。
法的に結婚をしてしまうと、そのあと戸籍の性別を変更してはいけないとなっているからだ。
何が問題なの?
このような現状から、LGBTq+のカップルは婚姻届けを出さずに結婚式だけする、というのが多い。
確かに、婚姻届けは紙切れ1枚かもしれない。
だが、法律上「夫婦・夫夫・婦婦」と認められなければ色んな場面で「家族」と認められず、様々な不具合や不利益が生じかねない。異性間であれば認められる「事実婚」すら適応せず、LGBTq+カップルを守ってくれる法律が存在しないのが今の日本だ。
下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ見てほしい。
生まれた体と心の性別が一致している異性間のカップルが「自分の性別」も「愛する人との法的婚姻」も当たり前に手に入れられるのに、トランスジェンダーカップルはそうではない。
憲法に「法の下の平等」と「人種・信条・性別・社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」とある日本であれば、上に書いたようなことは不平等と言えるのではないだろうか。
僕だったら、LGBTq+の人もそうでない人も、目の前に「自分の幸せをつかみたい」と願って頑張っている人は全員応援したい。
周りの人たち皆、幸せに生きてほしい。
結婚とトランスジェンダー?の歴史

トランスジェンダーは同性愛者としばしば混同されて表現される。
有名な官能小説家・団鬼六の「美少年」という小説はゲイを書いたと言われるが、主人公と恋愛関係を持つ「美少年」はトランスジェンダー女性にみえる。「トランスジェンダー」という認識が無いことと、生まれた体の性である男性の服装をしていることから「オカマ」「ホモ」(どちらも差別用語になるので注意)と小説内で表現されていた。
これは小説でフィクションではあるが、昭和時代のLGBTq+の扱われ方がよく分かる。
実際の歴史でも、「同性愛」と言いながらも目下の者の方を去勢させたり、異性のかっこうをさせて異性として結婚したり、同性愛者をむりやりトランスジェンダーにさせることが多い。
トランスジェンダーとLGBは別

先ほども言ったように、トランスジェンダーとは性別の自認の問題であって、恋愛対象のことは全く言っていない。
また、LGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル)の人たちも恋愛対象の問題であって、自分の性別が体と一致しないとは言っていない。
だからトランスジェンダーが必ずしもLGBであるわけではないし、逆もしかりだ。
また、トランスジェンダーがLGBである可能性もある。
例えるなら「国籍」と「職業」の関係だろうか。
「日本人」で「会社員」の人は多い。だが「日本人だから会社員」というわけでも「会社員だから日本人」というわけでもない。
また「タイ人」で「芸術家」の人もいるし、「日本人」で「芸術家」もいる。色んな組み合わせがあるのだ。
「LGBTq+」と1つにされるから混同しやすくなるが、「LGB」と「トランスジェンダー」は別の問題ととらえると分かりやすくなるだろう。
まとめ

今回はトランスジェンダーの結婚についてお話してきた。
LGBTq+のこともそうだが、法律的には仕事についてもまだ「農耕」と「会社員」ばかりに焦点があたったものがメインになっている。
男女が自分の性別に違和感を抱くことなく結婚して同じ家に住み、会社で働くという昔のホームドラマのまま、法律が現状と即していないのだ。
でもLGBTq+だったり、自分で自分の仕事をしている人はたくさんいる。
誰もが自分を肯定できて、自分の人生を生きれたら良いな、と思う。