
LGBTq+という言葉がある。
「性別とか、恋愛対象とかで事情がある人」という認識が一般的だろう。
僕もその当事者なのでLGBTq+について人生で何度も調べてきている。
LGBTq+とは何か?
どんな人たちが世の中で生きているのか?
これをお話していこう。
目次
LGBTq+とは?
「LGBT」ではないの?

もしかしたら「LGBT」という名称で知っていた人も多いだろう。
それは間違ってはいない。
けれど「LGBTの4種類だけだと足りない!」と世の中の認識が広まっている。
「LGBT」は「レズビアン(L)」「ゲイ(G)」「バイ(B)」「トランスジェンダー(T)」の頭文字だけをとった名称だ。
そこに「クィア(英語で奇妙な、という意味。日本では否定的な意味合いでは使われていない)」あるいは「クエスチョニング(自分の性別、恋愛対象がまだ未定、分からない人)」の頭文字の「q」が付き、さらに「それ以外の考え方も歓迎!」ということで「+」が付いた。
少数っていうけど、どれくらいの割合?

国やデータにもよるが、10人に1人くらいだ。
「左利きの人の割合と同じくらい」という言われ方がよくされている。
左利きだと、僕の時代は小学校のときに右利きに矯正させられたし、ボールペンなどは右左関係なくて良いが、ハサミや改札などが使いづらいなど「モヤッ」としたことがあるだろう。
右利きの人には「それくらい良くない?」と言われ、分かってもらえない。
左利きは決して少なくないし、「右利き」自体に劣っているわけではない。
そんな左利きと少なく見積もっても同じくらいいるのがLGBTq+だ。
LGBTq+は、昔より増えた?

昔よりもLGBTq+が増えた!と感じる人も少なくはないだろう。
特に、40,50代以上の人はそう思うかもしれない。
ただこれは、昔よりもLGBTq+が認知されている、または「理解してくれる人もたくさんいるから隠さなくても大丈夫なんだ」という、人権意識が昔よりも少しだけ良くなった結果からである。
例えるならば、仕事でも「サラリーマンか公務員以外は仕事ではない!」という時代は去って、フリーランスなどもどんどん認められている。学生の内から自分で仕事を作る人も増えているくらいだ。
なので「LGBTq+が昔よりも増えた」という感覚は、「LGBTq+を隠さなくても良い社会」ないし、「誰もが自分の生き方をできる時代」の幕開けだととらえて良い。
LGBTq+の種類は?
性的指向と性自認

LGBTq+は、まず大きく「性的指向」と「性自認」との2つに分けられる。
性的指向
性的指向とは、自分がどの性別に恋愛的魅力を感じるか、だ。
つまり「僕は女の人が好きだ」「私は男の人が好きだ」「僕は男の人が好きだ」「私は性別とかどうでもよくて、好きになった人が好き」などなど。「すてきだなって思う人はいるけど、恋愛とは違うな」って人もいる。
性自認
一方で性自認とは、自分がどの性別と自覚しているか、である。
「僕は男だ」「私は女だ」「自分はどちらでもない」「自分はどっちでもある」などなど。
「LGBTq+」には「相手ありき」と「自分の自分に対する考え」との2方向の考え方がいっしょくたにされている面がある。
そして、性的指向や性自認というのは、LGBTq+も、それ以外の人も、誰でもあてはまることである。「僕は自分のことをどう思っているんだろう?」「私はあの人が好きだ」という思考や思いを押し殺す必要はない。自分ととことん向き合う時間は自分を受け入れることにとって重要だ。
性的指向の種類

これは
女性と自認する人が女性を好きになるレズビアン
男性と自認する人が男性を好きになるゲイ
女性でも男性でも、恋愛対象が男女であるバイセクシュアル
が有名だ。
また、男性が女性を、女性が男性を好きになる異性愛者は「ヘテロセクシュアル」と言われたりする。
恋愛感情はわかない「アセクシュアル」もいる。
また、「恋愛対象を男女の2極化するのはおかしい」ということで、「パンセクシュアル」という言い方もある。
色んな種類があって「急に言われても、自分がどれか分からない」という人もいるだろう。また周りが異性愛者ばかり、または同性愛者ばかりだと「自分も…」と自然に流されてしまって、いざ思いがけない人を好きになって焦るケースもある。
分からない場合は焦って「異性愛者」「バイセクシャル」などと枠組みをあてる必要はない。「色んな可能性がある」と構えて大丈夫だ。
性自認

トランスジェンダーがこれにあたる。
「男の体に生まれたけど、自分は女だ」「女の体に生まれたけど、自分は男だ」「体は男(あるいは女)だけど、自分はどちらでもない」などなど。
MTF(male to female、男から女へ)やトランス女性、FTM(female to male、女から男へ)やトランス男性という言い方もある。ちなみに僕はこのトランス男性だ。
同時に「Xジェンダー」といって、「どちらでもない」「どちらでもある」といった性別認識もある。
また、生まれ持った体が男でも女でもある(またはない)という人もいる。

性別認識は今ここに挙げた種類の他にもたくさんある。1説には50以上もあるという。
英語でSNSを見ると、プロフィール欄に「he」「she」「them」など、自分が呼んでほしい代名詞を表記する人もとても多い。
こうなると「男・女」という白黒2色だけではなく、その間の無限のグレーのグラデーションをも知ると、写真と同じように、世界の解像度がより上がってくる。
無限にある種類
仕事のたとえを引っ張ると、職業は「会社員・公務員」の2つだけではない。職種はいくらでもあるし、新しい職業も出てくるし、兼業もいくらでもある。
同じように、恋愛対象も自分の性別認識も無限にあるのだ。
「僕の事は「彼」「男」って言ってね」「私は自分を「彼」「彼女」みたいなのじゃなくて「人」って呼んで」みたいに、現実の自己紹介で言える世の中になると、LGBTq+も、LGBTq+ではない人も、生きやすくなるのではないかと僕は思う。